昨今の温泉ブームをうけて、各地で新しい温泉温浴施設が続々と造られている。
新しいもの好きの温泉ファンとしては、誰よりも早く新しい温泉の湯を賞味したいもの。そこで、ネット上の情報を集めて、これから出来る新しい温泉を探ってみることにした。
温泉開発の流れ |
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温泉開発の大手・ドリコ(株)のサイトによれば、温泉開発のおおまかな手順は、つぎのとおりである。
ご承知のとおり、誰でも勝手に温泉を掘っていいという訳ではない。新たな温泉の掘削には、温泉法に基づいて、都道府県知事の許可が必要である。 さて、許可を得て無事温泉を掘り当てたら、これを自由に使えるかというと、そうではない。 つまり、温泉つきのスーパー銭湯を新設するためには、少なくとも2回、知事のお許しを乞う必要があるわけだ。 最近は、どの都道府県も情報公開に積極的で、自然環境保全審議会温泉部会の審議の要旨はほとんどがネット上で公開されている。逆に言えば、それを知ることによって、今後、どこに温泉ができるのか、おおよその見当をつけることができるというわけだ。 そこで、インターネットを利用して、今後開設されそうな温泉を探ってみることにした。なお、あくまでもネット上で得られた情報のみをもとにした"お手軽研究"であるので、事実と相違ある場合はご容赦願いたい。 |
大阪の温泉開発 |
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| 大阪府庁で温泉開発を管轄するのは、健康福祉部環境衛生課という部署である。自然環境保全審議会温泉部会は概ね年2回開催されていて、その審議結果がホームページで公表されている。 最近では、2003年8月25日、2004年2月9日、同年8月24日、2005年2月14日に開かれており、その答申(許可)の要旨はつぎのとおりである。
府から発表されるのは、申請者の氏名と場所だけで、『何に使うのか』は明らかにされない。 ゼネコンやマンションデベロッパーの申請は、温泉つきシティホテルやマンションの建設が目的である。 医療法人が温泉の利用を申請するケースが多いのも意外であった。療養型病棟(いわゆる"リハビリ病院"と思っていただければ差し支えない)や老人保健施設での利用を意図していると思われる。このうち、社会福祉法人恩賜財団済生会が動力装置許可を受けた場所は、恐らくは大阪府済生会中津病院の関連施設であろう。 投資効率が要求される民間温浴施設は、さすがにプロジェクトの進捗が迅速である。掘削許可が出て半年以内に温泉を掘り当て、次期の自然環境保全審議会温泉部会の答申で動力装置許可を取得、直後に開業というパターンがほとんどだ。 (株)オーユーデーは、大阪ガスのグループ企業。現在は、吹田市で万博おゆばを経営しているが、第二、第三の温浴施設を計画しているようだ。この2月にポンプ設置が許された八尾市の温泉は、既に『八尾おゆば』が開設されることが公表されている。 (株)エヌケイジャパンは、近畿一円でパチンコ店や飲食店を展開する延田グループの一員。温泉掘削・動力装置の設置が認められた"羽曳野市広瀬186"には"羽曳野123"というパチンコ屋があり、そのホームページでスーパー銭湯の開設がアナウンスされている。 昨年(2004年)8月24日の答申にある吹田市岸部南1丁目の掘削許可は、我が家から歩いて15分くらいの場所だけに、非常に関心がある。現地にまとまった土地はなく、いったいどこに何を造るのだろうと思っていたら、つい最近、JR岸辺駅前にあった近畿コンクリート工業(株)吹田工場の解体撤去工事が始まった。アスモ(株)は自動車用品メーカーのグループ会社で、大阪と兵庫でスーパー銭湯を経営している。来年あたり、ここに"極楽湯岸辺店"が開業する可能性が高いと思う。 (2005年2月25日)
(2005年3月27日)
(2005年7月28日)
去る8月22日に開催された大阪府環境審議会温泉部会の審議結果が公表された。今回は掘削11件、動力装置3件について、許可が適当との答申が出た。1社を除き、ネット上で検索しても、公式サイトがHitしない法人ばかりで、情報収集には苦労した。 箕面市で掘削許可を得た高橋(株)は、同市内でスイミングスクールなどを経営しているようである。 (株)ラ・カーヴコーポレーションは、北河内を中心に展開する酒類・業務用食品のディスカウントストア ガリバーの関連企業のようだ。このグループは、摂津市内で"摂津の湯"、門真市内で"門の湯"というスーパー銭湯を経営している(→参考)。現在のところ、いずれも温泉ではないが、門真市内の掘削許可は明らかに"門の湯"での温泉利用を意図したものだろう。 株式会社オーユーデーは、昨年2月に掘削許可を得た藤井寺市内で温泉を掘り当て、今回、動力装置の設置を許可された。近日中に"藤井寺おゆば"が開業することはほぼ間違いないと思う。 7月中に掘削櫓が姿を消した近畿コンクリート工業(株)吹田工場跡地の現場は、無事温泉が出たようで、ここも動力装置の設置を許可された。あとは施設の完成を待つだけの状態だ。
(2005年8月29日)
(2005年10月16日)
(2005年11月13日)
(2005年11月20日) |
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奈良の温泉開発 |
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| 私の出身地、そして、勤務先がある奈良はどうか。
奈良県の場合、温泉開発を管轄する部署は、生活環境部風致保全課自然環境係である。そして、別に自然環境保全審議会のホームページが設けられている。
(株)自然堂は、"極楽湯"を全国展開している会社だが、既に極楽湯橿原店出店のプレスリリースが出ている。 (2005年2月25日)
(2005年4月24日) 去る6月2日、2005年度第1回の奈良県自然環境保全審議会温泉部会が開催された。今回、許可が適当とされたのは、次の3件。
医療法人健和会は、いわゆるリハビリ病院(療養型病棟)を展開する、私にとっては同業他社である。 大和ハウス工業の動力装置許可は、恐らく橿原ロイヤルホテルのもの。改めてホームページを見たら、2003年12月に温泉浴場が出来たことになっている。私が所属する大学のすぐ近くだが、今まで知らなかった...。 もうひとつ、今回の答申で注目すべきは、(株)自然堂の名前がないこと。 (2005年6月26日)
(2005年7月15日) |
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京都の温泉開発 |
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| 京都府では、健康福祉部薬務室というところが温泉を管轄している。温泉と医薬品が同じセクションで扱われていることに驚きを禁じえないが、温泉=湯治という伝統的な捉え方を引き継いでいるのだろうか。
環境審議会のホームページも別にあって、温泉部会の審議結果も公表されている。
京都は土地勘がないので勝手な憶測は慎みたいと思うが、京都市街でも案外多くの温泉掘削許可が出ているのがわかる。ただし、実際に温泉を掘り当て、これを利用した施設を造るまでの道のりは遠いようで、動力装置許可に至ったものは少ない。 2003年2月に掘削が許された京都市中京区壬生松原町には、壬生やまとの湯がある。しかし、ホームページの記述によれば、他の場所から運んだ温泉を使っているようで、ここに掲げた温泉掘削許可との関係は不明である。 エムケイ(株)は、何かと話題になることが多い地元のタクシー会社。南区東九条上殿田町はJR京都駅(八条口)の真正面だが、いったい何を造るつもりなのだろう。 (2005年2月25日) 去る3月24日に開催された京都府環境審議会温泉部会の議事要旨が公開された。 今回は、掘削許可2件・動力装置許可1件が、許可して差し支えないとされている。いずれも京都市内。2つの法人をネット上で検索したが、目ぼしい情報は得られなかった。
(2005年4月1日) 去る9月15日に開催された京都府環境審議会温泉部会の議事要旨が公開された。 今回は、掘削許可のみ4件である。
京都市内の掘削許可2件は、ネット上を検索しても有用な情報は得られなかった。 (株)にしがきは、京丹後市に本拠を置くスーパーマーケットのようだが、天橋立や丹後半島でリゾートマンション等を経営している。また、(有)夕日ヶ浦温泉は、地区の旅館などに温泉を配湯する会社のようである。(→参考) (2005年10月20日) |
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兵庫の温泉開発 |
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| 兵庫県で温泉行政を担当するのは、健康生活部健康局薬務課である。京都府と同じく、医薬品や献血などと温泉が同じセクションで扱われている。 薬務課独自のホームページがあるのだが、ここでは環境審議会温泉部会の開催や審議結果については扱われていない。どうやら、環境審議会自体は県環境局の管轄らしく、お役所特有のタテ割り組織の中で、温泉部会は何やら宙に浮いた存在になってしまっている。 一応、環境局のホームページの中に環境審議会の情報を一括して紹介するページがあるのだが、温泉部会については適切な更新がなされておらず、情報の収集には苦労した。
有馬や城崎といった有名温泉地の掘削が多いと思いきや、やはり阪神間---つまり、都市部の温泉開発が圧倒的に多い。 神戸市内の温泉掘削は、震災復興事業がらみのものが少なくないようだ。数多くのスーパー銭湯を経営する会社の名前も散見されるが、また、新たな出典を計画しているということか。 姫路市長が申請者となっている温泉は、同市が林田町に建設を進めている交流促進ゾーンの中核施設。2006年度の完成を目指しているという。(出典:議会報ひめじ(平成15年1月号) p6-7 (PDF)) (2005年2月25日 / 2005年2月28日) 2005年2月に開催された第5回兵庫県環境審議会温泉部会の審議結果がネット上に公開された。
新規の掘削許可では、神戸市内の医療・福祉系の法人が目立つ。阪神間では、一般向けのスーパー銭湯は、ほぼ飽和状態に近づいたということか。 昨夏に掘削許可を受けたばかりの民間企業3社は、既に温泉を掘り当て、動力装置許可を得ていることがわかる。
(2005年5月17日 / 2005年5月20日) 2004年夏に掘削、2005年春に動力装置の許可を得ている大和システム(株)による尼崎市内の温泉開発だが、ウエブサイト上で情報が公開された。 阪神間は、知る人ぞ知る温泉温浴施設の激戦地域。大手企業によるスーパー銭湯から、個人事業主の手による温泉銭湯まで、質の高い施設が揃っている。温泉ファンにとっては目が離せないけれど、共倒れにはならないのかと余計な心配をしてしまう。 (2005年7月11日) |
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滋賀の温泉開発 |
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| 滋賀県庁で温泉関係の許認可を担うのは、県民文化生活部生活衛生課である。環境審議会のホームページもあって、各部会の議事録も公開されているのだが、温泉部会に関しては、なぜか更新が滞っている。(温泉が少ない県ゆえ、審議会が開催されていないという可能性も、まったく否定はできないが...)
唯一公開されている2003年3月14日の審議の結果は、次のとおり。
ところで、滋賀県では、環境審議会の委員を公募している。 (2005年2月26日) 私がこのサイトに"温泉部会に関しては、なぜか更新が滞っている"と書いたからでは絶対にないと思うが、ひさしぶりに滋賀県庁のサイトにアクセスしたら、温泉部会の審議状況が更新されていた。2004年に開催されたものを含めて、一挙に3回分が公開されている。
株式会社ダイヤモンドソサエティは、会員制リゾートホテルを運営する会社。ダイヤモンド滋賀(あいの土山)というリゾート施設で、"甲賀温泉・やっぽんぽんの湯"と称する妙な名前の温泉(ナトリウム-炭酸水素塩冷鉱泉)を掘り当てたようだ。 滋賀県と京都府南部地域は、経済/人口規模に較べてスーパー銭湯が少ない。この付近では、湯脈がかなり深い位置にあって、温泉開発(ボーリング)に多額の経費がかかるからという話をきいたことがある。本当だろうか。 (2005年7月10日) |
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和歌山の温泉開発 |
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| 白浜や勝浦といったA級温泉地を数多く抱える和歌山県だが、こと温泉開発に関する情報公開となると、及第点には遠く及ばない。
だいたい、どの県のホームページであっても、"温泉部会"をキーワードに検索するといくつかの文書がHitする。ところが、和歌山県の場合は、和歌山県環境審議会規則という規則そのものがひっかかるだけなのだ。その規則によれば、和歌山県にも環境審議会温泉部会は確かに存在するのだが、開催予告や審議結果はネット上ではまったく公表されておらず、審議会のホームページすらないのである。 和歌山県の温泉担当部署は、環境生活部環境政策局環境生活総務課。 それによると、たとえば温泉掘削の許可を得るには、温泉利用計画書や付近の見取り図などを添えて掘削前に申請をしなければならない。手数料は12万円である。 動力装置の申請には、揚湯試験結果や温泉分析書写しが求められる。(→現に温泉が出てからでないと動力装置の申請はできない!) 温泉状況報告書(温泉利用施設の管理者は、年1回、温泉の状況及び利用状況を知事に報告しなければならない)とか、果ては温泉の温度・ゆう出量・成分の著しい変化報告書(温泉の性質に著しい変化が生じたときは知事に届け出なければならない)なんてのもあるが、これは他の都道府県でも同様なのであろうか。 (2005年2月26日) |