但東シルク温泉館

　兵庫県但東町にある公営日帰り入浴施設。

　1994年7月のオープン以来、肌がつるつるになる『美人湯』として人気が高い。年間30万人もの利用があり、2002年には2本目の泉源掘削に成功した。

　森のお風呂-山の湯と竹林をイメージした花の湯の2つの浴室がある。ふだんは男女日替わりで使用されるが、この(2004年)8月末までは、工事のため、花の湯が男性用、山の湯が女性用に固定されている。

　浴室(花の湯)に入ると、円形の主浴槽が目に入る。縁に張られた御影石は既に茶色に変色していて、ある種の風格すら漂う。さっそく、掛かり湯をして飛び込むと、評判通りに肌に強いぬめりを感じた。

　屋外にはゆったりとした露天風呂と源泉風呂、飲泉場などがある。
　源泉風呂は定員2名ほどの小さなもの。第2泉源の温泉水をそのまま投入しているといい、恐らくは掛け流し。茶色に濁った湯で、不思議なことに内湯で感じたぬめりはほとんどない。飲泉場のお湯を口に含むと、若干の鉱物臭が鼻腔に広がり、かなり強い塩味がした。

　10年前に出来た公営施設なので、昨今のスーパー銭湯のような派手さはない。しかし、サウナ、水風呂、打たせ湯、寝湯、全身浴と、ひととおりの設備は揃っている。このうち、秀逸に思えたのが寝湯。大抵の寝湯は、気泡がボゴボゴ吹き出してちっとも落ち着かないが、ここはそういう仕掛けが一切ない。の〜んびりお湯を愉しむことができる。

　複数の源泉をもつ温泉では、すべてのお湯をひとつのタンクに纏めたあと、配湯している場合が少なくない。温泉水の安定供給という意味では優れた方法だが、反面、源泉ごとの微妙な泉質の違いを味わいたい向きには不評である。
　但東シルク温泉館は、かような乱暴な方法は採っておらず、第1泉源を露天風呂、第2泉源を主浴槽・源泉風呂・飲用(いずれも花の湯の場合)と使い分けている。このことは脱衣場にキチンと掲示されていて、非常に好ましいことだと思えた。

　館内には、畳敷きの休憩室や食堂もあり、設備はなかなか充実している。オススメの入浴施設だと思う。

　但東町は、但馬の東端に位置する山あいの町。
　毎年4月に畑山地区で行われるたんとうチューリップまつりは、最近その名が知られるようになってきた。100万本のチューリップが一斉に開花しているさまは、壮観である。夏場は、同じ休耕田にひまわりが咲き乱れるが、こちらも一見の価値がある。

お気に入り指数:★★★★☆

施設DATA
温泉名	---
施設名	但東シルク温泉館
施設の種別	日帰り入浴施設
所在地	兵庫県出石郡但東町正法寺165(→地図)
電話番号	0796-54-0880
参考サイト	但東シルクロード観光協会
営業時間	06:00〜23:00(最終受付 22:00) 第3水曜日は17:00営業開始(祝日の場合は翌日)
料金	大人:500円、中学生以下:300円、5歳未満:無料
無料の備品	ボディーソープ・シャンプー・鍵つきロッカー・ドライヤー
浴場施設	内湯、打たせ湯、寝湯、露天風呂、源泉風呂など
駐車	可能
入浴日	2004年8月8日
備考	<0061>

1Kg中の成分

　 　　　

　　第1泉源　　

陽イオン mg ナトリウムイオン 2260. カリウムイオン 22.9 マグネシウムイオン 2.16 カルシウムイオン 13.4 鉄イオン 1.80 リチウムイオン 3.35 ストロンチウムイオン 0.98 陽イオン合計 2300.

陰イオン mg フッ素イオン 12.3 塩素イオン 1150. 臭素イオン 1.78 硫酸イオン 586. 炭酸水素イオン 3510. 炭酸イオン 1.71 陰イオン合計 5260.

非解離成分 mg メタケイ酸 16.8 メタホウ酸 17.2 非解離成分合計 34.0

溶存ガス成分 mg 遊離二酸化炭素 456. 溶存ガス成分合計 456.

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第2泉源