大阪の温泉開発 |
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大阪府庁で温泉開発を管轄するのは、健康福祉部環境衛生課という部署である。自然環境保全審議会温泉部会は概ね年2回開催されていて、その審議結果がホームページで公表されている。 最近では、2003年8月25日、2004年2月9日、同年8月24日、2005年2月14日に開かれており、その答申(許可)の要旨はつぎのとおりである。
府から発表されるのは、申請者の氏名と場所だけで、『何に使うのか』は明らかにされない。 ゼネコンやマンションデベロッパーの申請は、温泉つきシティホテルやマンションの建設が目的である。 医療法人が温泉の利用を申請するケースが多いのも意外であった。療養型病棟(いわゆる"リハビリ病院"と思っていただければ差し支えない)や老人保健施設での利用を意図していると思われる。このうち、社会福祉法人恩賜財団済生会が動力装置許可を受けた場所は、恐らくは大阪府済生会中津病院の関連施設であろう。 投資効率が要求される民間温浴施設は、さすがにプロジェクトの進捗が迅速である。掘削許可が出て半年以内に温泉を掘り当て、次期の自然環境保全審議会温泉部会の答申で動力装置許可を取得、直後に開業というパターンがほとんどだ。 (株)オーユーデーは、大阪ガスのグループ企業。現在は、吹田市で万博おゆばを経営しているが、第二、第三の温浴施設を計画しているようだ。この2月にポンプ設置が許された八尾市の温泉は、既に『八尾おゆば』が開設されることが公表されている。 (株)エヌケイジャパンは、近畿一円でパチンコ店や飲食店を展開する延田グループの一員。温泉掘削・動力装置の設置が認められた"羽曳野市広瀬186"には"羽曳野123"というパチンコ屋があり、そのホームページでスーパー銭湯の開設がアナウンスされている。 昨年(2004年)8月24日の答申にある吹田市岸部南1丁目の掘削許可は、我が家から歩いて15分くらいの場所だけに、非常に関心がある。現地にまとまった土地はなく、いったいどこに何を造るのだろうと思っていたら、つい最近、JR岸辺駅前にあった近畿コンクリート工業(株)吹田工場の解体撤去工事が始まった。アスモ(株)は自動車用品メーカーのグループ会社で、大阪と兵庫でスーパー銭湯を経営している。来年あたり、ここに"極楽湯岸辺店"が開業する可能性が高いと思う。 (2005年2月25日)
(2005年3月27日)
(2005年7月28日)
去る8月22日に開催された大阪府環境審議会温泉部会の審議結果が公表された。今回は掘削11件、動力装置3件について、許可が適当との答申が出た。1社を除き、ネット上で検索しても、公式サイトがHitしない法人ばかりで、情報収集には苦労した。 箕面市で掘削許可を得た高橋(株)は、同市内でスイミングスクールなどを経営しているようである。 (株)ラ・カーヴコーポレーションは、北河内を中心に展開する酒類・業務用食品のディスカウントストア ガリバーの関連企業のようだ。このグループは、摂津市内で"摂津の湯"、門真市内で"門の湯"というスーパー銭湯を経営している(→参考)。現在のところ、いずれも温泉ではないが、門真市内の掘削許可は明らかに"門の湯"での温泉利用を意図したものだろう。 株式会社オーユーデーは、昨年2月に掘削許可を得た藤井寺市内で温泉を掘り当て、今回、動力装置の設置を許可された。近日中に"藤井寺おゆば"が開業することはほぼ間違いないと思う。 7月中に掘削櫓が姿を消した近畿コンクリート工業(株)吹田工場跡地の現場は、無事温泉が出たようで、ここも動力装置の設置を許可された。あとは施設の完成を待つだけの状態だ。
(2005年8月29日)
(2005年10月16日)
(2005年11月13日)
(2005年11月20日/2005年12月31日)
2月15日に開催された大阪府環境審議会温泉部会の審議結果が公表された。 (株)アーバンコーポレイションと(株)長谷工コーポレーション、アパ(株)は、マンション開発やビジネスホテル経営を手がける会社なので、誰でも気軽に入れる温浴施設が出来る可能性は小さいと思う。 (株)サンエイトは、ライフ門真店を経営する会社のようだが、そのすぐ近くで温泉を掘る計画。2003年夏に同じ場所でいちど掘削の許可を得ており、何らかの理由で頓挫した計画が再び日の目をみることになったのかも知れない。現地は、町工場や建て売り住宅が密集したところだが、第二京阪道路がすくそばを通ることになっている。 ヤシマ(株)が掘削許可を得た吹田市南金田は、JR東海道線と城東貨物線、それに阪急千里線に囲まれた殺風景な場所である。幹線道路沿いの土地でもないし、いったい何をつくるつもりなのだろう。 昨年(2005年)2月に掘削、そして今回動力装置の許可を得た四條畷市大字砂は外環状線沿いの土地で、国道163号線蔀屋交差点からほんの少し北に行った場所だ。申請者である植村吉一氏は地元の銭湯経営者かも知れないと思ってタウンページを検索したのだが、該当する風呂屋はなかった。 ※畷の里温泉については、こちらを参照のこと。 (2006年02月15日/2006年8月24日)
サンリバー株式会社は、江坂でアメニティ江坂と称する複合スポーツ施設を経営している。どういう形態になるかは不明だが、ここに温泉浴場が計画されていることは間違いない。 アパホーム株式会社は、全国各地で温泉付きビジネスホテルを経営したり、温泉付きマンションを分譲しているアパグループの会社である。茨木市豊原町は名神茨木ICからほど近い場所で、ホテルができるのか、あるいはマンションなのかは推測不能。 信和建設という名前は、検索エンジンでは多くの会社がHitする。そのうち、大阪市内で温泉掘削を計画している可能性がもっとも高そうなのがこの会社。しかし、Websiteに温泉に関する情報はない。 新日本製鐵株式会社が掘削許可を得た場所は、同社の堺製鐵所の所在地だ。いまどき、社員の福利厚生のために温泉を掘るとは思えないし、老人ホームを作るには環境が良くない。恐らくは副業としてスーパー銭湯を始めるつもりだろう。 明日香シニアサービス株式会社は、同所で介護付有料老人ホーム明日香の里を経営している。たぶん、この施設内に温泉浴場を造るものと思われる。一般の人がその湯を賞味する機会はあるまい。 アイエスイーという名前の会社もたくさんあるが、高石市の温泉掘削を計画していそうなのは、この会社。けれども、やはりWebsiteに温浴事業に関する記述はない。 グンゼ開発株式会社は、すでに兵庫県尼崎市でつかしん天然温泉湯の華廊を経営している。同社のWebsiteには、新しい温浴施設を開業するための土地を募集する旨のことが書かれているから、来秋までには、りんくうタウンの一角に新しいスーパー銭湯が開業するだろう。 東香里湯元水春は、この8月に開業したスーパー銭湯。系列の箕面温泉湯元水春同様、温泉なしで見切り発車するにもかかわらず湯元を名乗るのはケシカランと思うが、晴れて看板と中身が一致する。 株式会社ラ・カーヴコーポレーションの"門の湯"も、今回、めでたく温泉浴場となることが確定した。Websiteによれば、今年11月から温泉の提供を始めるという。 大阪市長が申請していた天王寺区の温泉は詳細は不明。ほぼ同じ場所にタック桃山という温泉付きフィットネスクラブがあり、そこの湯量が足りなくなった可能性が示唆される。 (2006年08月24日) |
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制作:2005年2月25日 修正:2006年8月23日