奈良ドリームランドのメインストリート
かつての馬車鉄道のレールが残る...
奈良ドリームランドは、奈良市街の北・黒髪山丘陵にある遊園地である。
1961年の開園で、米国・ディズニーランドを模した園内には、ヨーロッパ風のお城や町並みが再現され、大規模な機械仕掛けの乗り物がいくつも並んでいた。それは、電鉄会社が経営する旧来の遊園地とは一線を画した、まさしく『夢の国』であった。開業当初は高級遊園地としてその名を馳せ、多くの若者や子供たちを集めたけれど、1983年に"本家"が浦安に進出して以来の凋落の歴史は、"並み"の遊園地と同じであった。
1988年には大手スーパーダイエーと提携。関西初の木製ジェットコースター"ASKA"を導入するなど一時は元気を取り戻したが、ダイエー自体が膨大な債務をかかえて(株)産業再生機構の支援を仰いだ今となっては、奈良ドリームランドの行く末は神のみぞ知るところである。ところで、この奈良ドリームランドには、ちょっと偏屈な鉄道ファンには見逃せない乗り物がある。いずれも、遊園地の遊具と呼ぶには立派すぎる歴史ある乗り物で、今のうちに是非とも試乗をしておきたいと思う。
小春日和の日曜日(2004年11月28日)、奈良ドリームランドを訪れた。
遊園地『奈良ドリームランド』は、2006年8月31日をもってすべての営業を終了しました。現時点で跡地の利用計画は未定ですが、遊具は撤去されるときいています。
本コンテンツは、かつて存在した遊園地の記録としてお楽しみください。(2006年9月1日 追記)
日曜午前11時すぎの正面ゲート。"Dreamland"の植え込みが美しい。
予想に反して、そこそこのお客はいた。しかし、切符売り場に行列が出来るほどの人出ではない。 |
ゲートを入ってすぐのメインストリート。
通りの両側には、食堂や土産物店(ただし、半分以上は閉店中だ...)が並び、更にその先には"お城"が見える。 かつてここには、馬車鉄道が通っており、今でもそのレールの一部が残っている(上の写真)。 |
"お城"とロープウエイが貫通する岩山。
いずれも"ハリボテ"だけれど、奈良ドリームランドを代表する風景である。 |
さて、奈良ドリームランドには幾多のアトラクション(とその残骸)があるのだけれど、鉄道ファンとして是非とも見るべきは、つぎの3つだ。
外周列車は、その名のとおり、遊園地のまわりをぐるっと一周するおとぎ列車だ。軌間1,067mm、本物の鉄道とまったく同じ腕木式信号機や転轍機が郷愁を誘う。
スペースライナーは、未来をイメージしたモノレール型遊具。けれども、日本の都市モノレール史に欠くことのできない歴史的な施設でもある。
スカイウェイは、園内を東西に走るロープウェイで、法律に基づく正式な索道だ。
いずれも、単なる遊園地の遊具と片づけるにはもったいないほどの出来栄え。詳細は、上記の写真をクリックしていただきたい。
- 本稿に掲載の写真は、特記のあるものを除いて、すべて2004年11月28日に私が撮影したものです。
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制作:2004年12月12日 修正:2006年9月1日