奈良の温泉開発

 私の出身地、そして、勤務先がある奈良はどうか。

 奈良県の場合、温泉開発を管轄する部署は、生活環境部風致保全課自然環境係である。そして、別に自然環境保全審議会のホームページが設けられている。

2003年5月29日答申
温泉動力装置許可
申 請 者 場  所 備  考
曽爾村長 宇陀郡曽爾村太良路749番地 曽爾高原温泉 お亀の湯

2003年9月16日答申
温泉掘削許可
申 請 者 場  所 備  考
大村 陽 吉野郡吉野町吉野山2626番地
増田 善仁 大和郡山市田中町字宮東541番
新英自動車工業(株) 奈良市押熊町2161番 ゆららの湯押熊店

2004年5月21日答申
温泉掘削許可
申 請 者 場  所 備  考
神吉 利郎 天理市櫟本町2154番1
朝日商事(株) 大和高田市曽大根136番
(株)自然堂 橿原市新堂町210-2
温泉動力装置許可
申 請 者 場  所 備  考
新英自動車工業(株) 奈良市押熊町2161番 ゆららの湯押熊店

2004年11月26日答申
温泉掘削許可
申 請 者 場  所 備  考
高取町長 高市郡高取町羽内200番
(株)自然堂 橿原市新堂町210-1
温泉動力装置許可
申 請 者 場  所 備  考
(株)さこや 吉野郡吉野町吉野山2626番地

 (株)自然堂は、"極楽湯"を全国展開している会社だが、既に極楽湯橿原店出店のプレスリリースが出ている。
 それによると、2005年9月の開店予定なのだそうだが、実はまだ動力装置設置許可が出ていない。ほとんど同じ場所で2度にわたって温泉掘削許可を得ているが、最初のボーリングでは思ったような温泉が得られなかったということだろうか。

(2005年2月25日)



 橿原市新堂町の極楽湯橿原店の出店予定地。

 2005年4月現在、温泉掘削用の櫓があるだけで、建物は影もかたちもない。温泉掘削を請け負うのは、ドリコ(株)。2005年4月24日撮影。

 


(2005年4月24日)


 去る6月2日、2005年度第1回の奈良県自然環境保全審議会温泉部会が開催された。今回、許可が適当とされたのは、次の3件。

2005年6月2日答申
温泉掘削許可
申 請 者 場  所 備  考
(医)健和会理事長 山本 博昭 天理市中之庄町600番
温泉動力装置許可
申 請 者 場  所 備  考
大和ハウス工業(株) 村上 健治 橿原市久米町652番-2 橿原ロイヤルホテル
神吉 利郎 天理市櫟本町2154番1

 医療法人健和会は、いわゆるリハビリ病院(療養型病棟)を展開する、私にとっては同業他社である。
 今のとこ奈良県内の療養型病棟はどこも満床が続いており、事実上、患者や家族が病院を自由に選べる状況にはない。しかし、いずれは"温泉"が病院のセールスポイントになるであろうことを見越した計画であると思われる。

 大和ハウス工業の動力装置許可は、恐らく橿原ロイヤルホテルのもの。改めてホームページを見たら、2003年12月に温泉浴場が出来たことになっている。私が所属する大学のすぐ近くだが、今まで知らなかった...。

 もうひとつ、今回の答申で注目すべきは、(株)自然堂の名前がないこと。
 自噴泉の掘削に成功したなら別だが、通常は動力装置の設置が認められてはじめて温泉利用が可能になる。果たして、極楽湯橿原店はプレスリリースどおり9月に開業できるのか!?。

(2005年6月26日)



 橿原市新堂町の極楽湯橿原店の出店予定地。2005年7月14日撮影。

 温泉掘削櫓は姿を消して、建物はすでに外装がほぼ完成した状態となっている。いまは内装工事の真っ最中といったところか。

 "9月下旬オープン予定"の看板はそのまま掲げられている。


(2005年7月15日)


 去る11月15日に開催された2005年度第2回の奈良県自然環境保全審議会温泉部会の審議結果が公表された。今回は温泉動力装置許可のみ2件である。

2005年11月15日審議分
温泉動力装置許可
申 請 者 場  所 備  考
(株)自然動 新川隆丈 橿原市新堂町210番1
(医)健和会理事長 山本 博昭 天理市中之庄町600番

 極楽湯橿原店は、昨年9月に天然温泉なしで見切り発車したが、やっと計画どおりの温泉浴場になった。近いうちに訪問したいと思う。(奈良県の発表では、"(株)自然動"となっているが、これは"(株)自然堂"の誤りであろう。) 

(2006年1月28日)


2006年5月24日審議分
温泉動力装置許可
申 請 者 場  所 備  考
(医)厚生会 理事長 田村 睦満 生駒郡安堵町大字岡崎57番

 2006年5月に開催された奈良県自然環境保全審議会温泉部会の審議結果は上記のとおり。
 奈良県では、いわゆる老人病院に温泉をつくるのがブームとなっているのかも知れない。私がこの温泉に入れるまでには、あと数十年かかると思われる。 

(2006年8月24日)


戻る


Copyright (C) 2005-2006 Heian Software Engineering. Allrights Reserved.

制作:2005年2月25日 修正:2006年8月24日