アマチュア局の再免許--FD申請を利用して--

 アマチュア無線局の免許の有効期限は5年間である。引き続き運用を希望する場合は、免許が切れる1年前から1か月前までの間に、再免許の申請をしなければならない。
 アマチュア局の免許申請といえば、近くのハムショップでCQ出版社の申請用紙を買い、アレコレ細かいことを書き込むと相場が決まっていたが、電子政府実現の一環とやらで、1999年春から、フロッピーディスク(FD)による申請が可能になっている。Windowsパソコンとプリンタをお持ちならば、既製の申請用紙を買う必要はない。

 私のアマチュア無線局(JF3RFY)の免許切れが迫ってきたので、FD申請制度を利用して、再免許申請をすることにした。

ソフトウエアのダウンロード

 総務省のサイトには、電波利用のホームページがある。電波利用に関する様々な情報があるので、アマチュア無線家ならばbookmarkに登録することをお勧めする。
 FD申請のためのソフトウエアは、ここからダウンロード可能になっている(ATFD作成プログラム)。時折、バージョンアップがなされているようなので、最新版を利用したい。(なお、ここに例示したのは、私が実際に使用したVersion 1.32のものである。)

 ちなみに、申請FD作成プログラムは、Windows95/98/Me及びWindowsNT4.0/2000/XPで動作する。Mac派の私としては非常に困るが、こういう時のためにWin98をインストールした古いPC98があるので問題ない。

再免許のお約束

 FDを作成するまえに、再免許のお約束を再確認しておく。

 再免許というのは、現在、免許を受けているのと同じ条件で再度無線局の免許を受けることである。従って、申請書に記載する常置場所や無線設備等は、現在の免許を受けた当時のままでなければならない。現状が免許内容と異なる場合は、予め変更申請を行う必要がある。

 ひと昔まえまでは、免許申請の都度、申請書(無線局事項書・工事設計書など)の写しが返送されてきたので、これを保存しておけば良かったが、すでにこの制度が廃止されて久しいので、自分の無線局の工事設計(免許を受けて使用している無線機etc)が分からなくなっている方も少なくないであろう。

 その場合は、管轄する総合通信局に問い合わせれば、保管されている書類を閲覧させてくれるはずである。

     
 

 アマチュア局の免許情報検索 

 2003年春から、総務省が無線局の免許情報の公開を始めた。国民の生命・財産を守るための公的な無線局を除き、基本的にすべての無線局の免許状記載事項が公開されている。

 アマチュア局の場合は、個人のプライバシー保護の観点から、免許人の氏名、免許の番号、住所と無線局の設置(設置)場所の詳細(市区町村名より詳細な情報)は伏せられているが、それ以外はすべて公開されている。コールサインを入力することにより、"一発検索"ができるから、免許失効、あるいは、必要な変更申請をしないまま運用していると、相手局から、『お宅は免許がないですが...』なんて言われるかもしれない。

 
     

     
 

 電波の形式の表示方法の変更について 

 電波法施行規則や無線局免許手続規則などが改正され、2004年1月13日から、アマチュア局においても、電波の形式を他の業務用無線局と同じ新しい表示方法で表現することになった。これに伴って、変更申請や再免許申請の書類の記入方法も変更になる。本稿は、2002年5月時点の私の事例をもとに作成しているので、2004年1月13日以降の申請については注意が必要である。

 基本的には、電波の形式の表示方法が変わるだけで、FD申請のためのソフトウエアは旧来のものがそのまま使用できるらしいが、実際に申請書を作成する際には、十分留意していただきたい。

 参考

 
     

 

     
 

■ 注 意 ■

 2005年5月から、アマチュア局の申請等に用いる無線局事項書及び工事設計書の様式が変更になっています。これに伴い、FD申請に用いるソフトも全面改訂されました。
 新しいソフトでは、データの入力方法が全面的に変更されており、ここに掲げたものとは異なります。また、入力したデータをもとに、紙の申請書と同じ形式でデータを印刷する機能がありませんので、収入印紙を貼付する紙の申請書は、別途作成する必要があります。

 来年(2007年)7月に私のアマチュア局は開局30周年(!)を迎えます。
 私のアマチュア無線への興味が続く限り、6回目の再免許申請を行うことになりますが、その経験をもとに本稿を全面改訂する予定です。
 それまでは、かつてのFD申請の方法を示した参考資料としてお読みくださいますようお願いします。

(2006/03/04)

 
     

 

     
 

■ 注 意 ■

 2007年8月から、再免許申請書類の様式が再び変更されました。
 記載項目が大胆に整理され、A4の紙1枚だけになっています。FD申請も可能ですが、書面を提出する場合と較べたメリットは皆無と言って差し支えありません。
 2007年11月現在の再免許申請の方法については、こちらをご覧ください。

(2007/11/03)

 
     

データ入力(1)

申請事項

 FD作成プログラムを起動すると、以下のような画面が現れる。


fig.00

 提出先(常置場所を管轄する総合通信局)、申請区分(再免許)、申請年月日を入力する。

申請者

 つぎに、『申請者』タブをクリックすると、以下のような画面になる。たいていの方は、ご自分で再免許申請を行うと思うので、『区分』の項は、『申請者(S)』を選択することになる。


fig.01

 ここで、『新規(N)』をクリックすると、申請者情報入力画面になるので、氏名、住所などを入力していく。このうち、都道府県/市町村名については、選択肢からえらぶかたちになる。入力が終われば、『設定(O)』をクリックする。


fig.02

申請手数料

 『申請手数料』タブをクリックして、局数、空中線電力、手数料などを入力する。アマチュア局の再免許手数料は、空中線電力に関係なく、1局あたり2,900円となっている。(2002年5月現在、実際に申請する場合は、最新の情報を確認してください。)


fig.03

 以上の入力が終わると、いよいよ無線局事項書・工事設計書に入力である。

続く


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制作:2002年5月4日 最終修正:2007年11月4日