源気温泉　八尾おゆば

　近鉄大阪線高安駅近くにあるスーパー銭湯。2005年4月8日にオープンしたばかりである。大阪ガスの子会社が経営しており、同社の社員寮跡地を再開発したものらしい。

　浴室や脱衣場は全体にシンプルな造りで、内湯はタイル張りの主浴槽とサウナ、水風呂だけである。露天エリアに、ジャグジーと入浴剤を添加した替わり湯、そして、メインとなる露天風呂がある。
　市街地の建物2階にある"屋上露天風呂"だから、周囲は高い目隠し塀に遮られている。鉄道ファンの私は、近鉄高安車庫に並ぶ電車を眺められるのではないかと密かに期待していたのだが、当て外れに終わった。もっとも、広い空を仰ぐ露天エリアの開放感はなかなかのものだ。
　天然石で組まれた露天浴槽はかなり広いが、その半分くらいは湯の深さが30cm程度しかない。系列の万博おゆばの露天風呂も同様の構造だが、普通に入ったのではヘソのあたりまでしかお湯に浸かれず、いったいどのような姿勢で入るのが正解なのかと思う。

　地下802mまで掘削して掘り当てた湯は、かすかにゴムが焦げたような匂いがする。日が暮れてからの訪問だったので正確にはわからないが、淡いトパース色の湯であった。重曹泉系の単純温泉だが、いわゆるぬめりはほとんど感じない。
　402L/分と豊富な湧出量を誇るが、温泉水を使用しているのは露天浴槽だけで、そのほかは全部白湯である。最近流行の源泉風呂、あるいは、ざばーっと湯が溢れる快感を楽しむ(?)一人用浴槽("壺湯"や"樽風呂"など)は見当たらなかった。男性/女性の入れ替え制はとっていないから、女湯もほぼ同様の構造だろう。

　ロビーには、生ビールやソフトドリンクを提供するファーストフードコーナーのほか、フルサービスのレストランがある。あまり広くはないが、畳敷きの休憩スペースがあるのもよい。もちろん、マッサージや理髪の設備もととのっている。

　私が訪れたのは開業7日目であったが、平日ということを差し引いても、予想外にすいていた。
　一戸建て中心の住宅街のど真ん中にあり、幹線道路にも面していないから、決していい立地条件ではない。盛業を祈りたいと思う。

　なお、公式発表はないけれど、大阪府の発表によれば、万博おゆば・当店に続く第三の"おゆば"も計画されているようである。(→参考)

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