29D 特急いそかぜ (下関駅)
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■津和野〜益田〜下関駅前食堂で昼食をとったあと、駅のはずれにあるSLやまぐち号専用のピットを見学。2時間弱の時間はあっという間に過ぎた。(→詳細はこちら) このまま、上りのSLやまぐち号に乗りたい衝動に駆られるが、予定どおり益田に出て、残り少なくなったキハ181系気動車特急に乗ろうと思う。 14時22分頃、3両編成のキハ181系・特急おき3号が到着。 おき3号の到着と入れ替わりに、私の乗った単行気動車が益田に向けて発車。乗客は全部で十数人。ローカル線の置かれた厳しい現実を感じざるを得ない。 15時05分、益田着。 この駅に来るのは、2年ぶりである。7月からの新型特急運転開始に備えてホームが嵩上げされ、信号の改良工事が進んでいる。けれども、駅前商店のいくつかがまた店じまいしており、高速列車運転開始を祝福する雰囲気はない。 15時45分、キハ181系3両編成の特急いそかぜが到着。 山陰本線の凋落の歴史の生き証人的列車に、益田からの乗車はわずかに2人であった。そのほかに、『下関総合鉄道部』の名札をつけた係員5〜6名が乗り込む。客より便乗する職員のほうが多いという、国鉄末期によく見かけたわびしい光景である。 2号車の自由席には、10人あまりのお客がいただけだった。進行右側、日本海を望む席を確保する。 この区間は、2年前にも乗っている。あの時は、非力な単行気動車であった。今日は、強力なエンジンを積んだ特急車両だから、加速や乗り心地はまったく違う。けれども、カーブが続くせいか、特急と言えどもスピードはあまり出ない。70〜80Km/h程度と思われる。山陰から九州方面へのメインルートは、山口線を経由して小郡から新幹線に乗る経路にとって代わられてが、その理由も理解できたような気がした。 けれども、そんな閑散路線ほど、車窓の眺めは魅力的だ。小さな入り江に瓦葺きの民家が寄り添い、駅がある。今日の日本海は穏やかだが、冬の季節風が吹く頃は、もっと寂寥感溢れる風情になるのではないかと思う。 東萩では、観光客らしいグループ十数人が指定席車に乗り込んだ。これで、車内は少し特急らしくなる。とにかく、これまでがあまりに惨憺たる乗車率だったのだから。 長門市、滝部、川棚温泉と停車するごとに、今度は自由席の乗客が増えていく。客が席につくたびに、車掌が検札に現れる。客の告げる行き先はほとんどが小倉であった。 18時27分、下関着。 ■下関〜新下関〜小郡〜新大阪 夏至が近く、かつ、本州最西端にいる関係で、あたりはまだ真昼のように明るい。しかし、時刻はすでに6時半をまわっている。 下関からは、山陽線の普通電車で新下関に向かう。 昨年新設された厚狭で、後続ののぞみ500号をやりすごす。 今回の旅行で3回目の小郡で下車。後続のひかり386号に乗り換える。新大阪までの今夜の最終列車である。 |
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2001年6月18日 制作
2003年8月5日 訂補