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■南海貴志川線■和歌山→貴志→和歌山 南海貴志川線は、JR和歌山駅と貴志駅を結ぶ全長14.3Kmの路線である。中嶋正弘さんの『南海貴志川線を探検しよう!』によれば、当時の山東軽便鉄道の手によって、1916年に大橋(現存せず)-山東(現伊太祁曽)間8.2Kmが開通、1933年に現在の和歌山と貴志の間が全通している。 大手私鉄の"孤島支線"には、独特の雰囲気が漂っていることが多い。 1面1線の和歌山駅貴志川線ホームでは、2両編成の電車が出発を待っていた。座席は高校生でほぼ埋まった状態である。7〜8年まえまでは、戦前製の電車が走っていたそうだが、現在は本線運用を退いた比較的新しい冷房車が使われている。 13時15分、和歌山発。ワンマン運転で、すぐにテープによる案内放送が始まった。 一部民家の軒先をかすめるような場所もあるけれど、電車は住宅と田畑が混在した平坦な場所を淡々と走る。もと軽便鉄道であるから、駅間は短く、各駅ごとに高校生が数人ずつ下車する。 交通センター前では、大学生くらいの若者と中年のおっさんがそれぞれ5〜6人下車。この駅は、1999年に新設されたばかりの、和歌山県の運転免許センター最寄り駅である。 車両基地のある伊太祁曽を過ぎると、車内に残った乗客は数えるほどとなった。電車は1000分の25の急勾配を上り始める。 住宅と田畑が混在するところを走り、線路が右に大きく曲がったと思うと、そこが終点・貴志駅であった。 1面1線だけの小駅だが、それでも駅員が配置されている。 列車から降りた女子高生数人が散ると、駅には静寂が訪れた。集札を終えた駅員氏は、切符売り場に腰を下ろして、新聞を広げてたりしている。 駅周辺で幾枚かの写真を撮影して駅に戻る。駅舎に隣接して小さな食料品店兼タバコ屋があったので、清涼飲料水を買って一服。1本電車を落として、14時20分発の電車で和歌山に向けて折り返す。 上り列車の乗客はすくなく、座席がふさがらないまま和歌山駅に着いた。 和歌山からは、タクシーで和歌山市駅に移動、明後日25日かぎりで営業を廃止する水軒駅を訪ねる予定である。
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2002年5月25日 制作 2003年7月19日 修正