体験コーナー



 子供たちの人気は、やっぱり自分で触って動かせるモノ。

 マスコンハンドルとブレーキ弁がついたこの機械、本来は電車の心臓にあたる制御器の試験装置。

 ボクちゃんは運転士になった気分でご満悦だが、私はハンドル操作に従って動く制御器の様子が興味深かった。

 マスコンハンドルを回すと、ガチャガチャ大きな音をたててカム軸が回り、単位スイッチが開閉する。電空協調のブレーキ制御だから、制動レバーを操作しても、同様の動作をする。精緻なメカの動きに思わず見とれてしまった。

 こちらは誰でもわかる方向幕。電車のオデコについている、アレである。目の前で見ると、思いのほかデカい。

 操作スイッチを押すと、いろんな行き先が出てくる。

 足場車に乗って、電車の屋根上を眺めるコーナー。意外な人気イベントで長蛇の列ができていた。

 ひと昔まえなら、車体についたステップをよじ上っていたところなのだろうが、労力の軽減と安全のために、想像以上に機械化が進んでいる印象をもった。

 お母さんや女の子に人気だったのが『駅長になろう撮影会』。
 塗装ラインを出たばかりの特急車をバックに、制服・制帽姿で写真を撮れる。

 童心に帰ってムチュウになってたお父さんも、少しは家族サービスの図。

 ピットにもぐって、電車を下から眺めようというイベント。

 興味深かったが、50分待ちで断念。

 検修庫の外に留め置かれた電車では、運転席に座って運転士や車掌体験ができるコーナーが大人気。私は遠目に眺めるだけにしたけれど、相当にマニアックな人たちばかりのようにお見受けした。

 ところでこの2両編成、阪神乗り入れ工事が施行済みではないか!

保守用機械など

 かなり地味な保線用機械も展示。

 これは、軌道の狂いを修正するマルチプルタイタンパー。深夜、列車が走らない時間帯に線路のバラスト(砂利)を突き固めて、乗り心地を改善する。

 最近は、線路の周辺に民家が建て込み、騒音防止に最大限の考慮をしているとのこと。

 M-462型高速軌道検測車。

 ディーゼルエンジンで自走しながら、軌道の狂いを測定する機械。最高速度は何と110Km/h、電車と併結すると130Km/hの検測も可能なのだそうな。

 もっとも、現状ではその高性能は完全には活かしきっておらず、深夜に60Km/h程度で走っているという。

 狭軌の南大阪線車両を五位堂検修車庫まで回送するための電動貨車。
 近鉄創業当時の電車。1914年、当時の大阪電気軌道(株)が大阪上本町-大軌奈良間を開業させたときに登場したデボ1型。1964年の廃車まで、じつに半世紀にわたって活躍した。

  あやめ池遊園地に展示されていたが、同園の閉鎖に伴い、五位堂検修車庫に移された。2本ポールの集電装置、バッファ式連結器に救助網と、現在の車両とはずいぶん違う。

グループ会社



 奈良県内のグループ会社も出展。

 奈良交通は、福祉バスを展示したほか、廃品の即売会も開催。

 バスガイド嬢の流麗なアナウンスで商品が次々と紹介される。もっとも、売れ行きはいまひとつみたいだったが。

 奈良近鉄タクシーは、後席に余裕を持たせた福祉タクシーを展示。

 ただそんだけだったけど。

 このほか、Nゲージの運転会や鉄道部品の即売会が行われていた。
 前者は長い行列ができてて立ち入りを断念。後者は、とんでもない無駄遣いをしそうなので近づかなかった。

 鉄道施設の公開というとバリバリの鉄ちゃんばかりかと思いきや、主役は幼稚園から小学校低学年の子供を連れた家族であった。
 いつもとは違うお客さんを迎える会社は大変だとは思うが、子供たちに、『パパ、楽しかったね。今度は特急に乗ってスペイン村に連れてって!!』と言わせれば、このイベントは大成功だったと言えるだろう。


前へ | My Railwayに戻る


Copyright (C) 2007 Heian Software Engineering. Allrights Reserved.

制作:2007年10月9日 修正:2007年10月12日