京都→園部 |
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京都駅で
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京都駅の山陰線のりばは、巨大な駅ビルの真下にある。2面4線の行き止まり式ホームで、まるで私鉄のターミナルのようだ。 休日とは言え、午前9時すぎに発車する下り列車は、きっと空いているに違いないと予想していたのだが、現実はそうではなかった。座席は全部ふさがり、立ち客もいる盛況ぶりである。おかげで、京都駅で買い込んだ朝食代わりの駅弁は、しばらくお預けだ。 東海道本線に沿って、真西に向かって京都駅を出た電車は、梅小路蒸気機関車館を見ながら右に急カーブし、直角方向に向きを変える。 しばらくの間、ビルが目立つ京都の市街地を眺めて走った列車は、二条駅を発つと、今度は左にほぼ90度カーブして、再び真西に向かった。 嵯峨嵐山を出た列車は、立派な複線型のトンネルに入る。1989年3月に切り換えられた新線区間で、蛇行する桂川とは何の関係もない---とばかりに、トンネルと鉄橋で、一気にこの難所を越えてしまう。 馬堀駅で新線区間が終わる。山陰本線の線路は単線に戻るが、その両側には新しい一戸建て住宅が目立つ。民営化後の列車の増発・スピードアップで、鄙びた田舎であった亀岡は、今や完全に京都市のベッドタウンとなっている。 千代川駅で特急きのさき2号と行き違い、9時49分、園部着。 |
園部→綾部→西舞鶴 |
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福知山行き235M(園部駅)
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園部駅では10分間停車して、うしろ4両を切り離す。福知山まで行くのは、前よりの2両である。 京都の通勤圏、言い換えれば、JRにとって普通列車が商売になる区間はここまでだ。これまでの肉声に代わって、テープによる乾いた車内放送が、この列車がワンマン列車であることを繰り返し告げている。 定刻よりやや遅れて園部発。 列車は、丹波の山里を縫うように走る。稲が頭を垂れはじめた水田の向こうには、これまでの新築一戸建てに代わって、どっしりとした構えの農家が目に付くようになった。 けれども、私はその車窓を十分に堪能することはできなかった。園部を過ぎても列車は空かず、つり革につかまったままだったからである。青春18きっぷのシーズンだからかどうかはわからないが、車内は、京都を出たときより更に混んでいる。 船岡、日吉、鍼灸大学前、胡麻...。どの駅でも、思いのほか多くの下車客がいる。料金箱に投げ入れられる切符の多くは京都駅からのものだが、長距離の青い切符を運転士に直接手渡す人も少なくない。そして、ホームで出迎える人を見つけて、にこやかに挨拶を交わす。今日は8月14日。お盆休みの真っ最中である。 10時46分、綾部着。 かつての舞鶴市は、日本海軍鎮守府が置かれた軍事都市であって、その地位は今より遥かに高かった。山陰本線から舞鶴への乗換駅となる綾部駅も同様で、以前は幅の広い立派なプラットホームを持つ駅であったと記憶している。 東舞鶴行きは、特急リレー号という愛称がついているので、何か特別な車両ではないかと期待したが、普通のワンマン改造近郊型電車の2両編成であった。 11時12分、西舞鶴着。 |