広島新幹線まつり2004

広島電鉄(2)

 最新鋭の低床電車が走る広電だが、日本各地から移籍した旧型車両も健在である。

 夕日を浴びて比治山橋電停にやってきたのは、元京都市電の1900型。ベージュとダークグリーンの塗り分けは、京都時代のままだ。

 1900型の狭い運転台には、直接制御式の大きなマスコンが鎮座している。運転士の左手がノッチを進めると、電車は軽く身震いをし、床下の釣り掛けモーターがひときわ高い唸り音を上げた。

 古典的な路面電車の乗り心地を楽しみながら、広島港へと向かうことにした。

 広島港・宇品には、四国や離島とを結ぶ旅客船が頻繁に着発している。いかにも瀬戸内らしい、私の好きな光景のひとつである。

 2003年春に改築された旅客ターミナルは、完ぺきなバリアフリー設計で、船を降りてから、路面電車に乗るまで段差がまったくない。

 広島の路面電車の強みは、JR広島駅・横川駅・広島港という長距離輸送機関のターミナルに直接乗り入れ、市内中心部への基幹交通手段としての地位を占めていることではないかと思う。

 大屋根の下には、路面電車がひっきりなしに発着するので、思わず見とれてしまった。LRTという呼称が相応しい新型電車から、市電のイメージを色濃く残す古典車両まで、飽きることのない時間を過ごせた。

 

 元大阪市電の760型。

 広島電鉄の移籍車両は、原則として出生時(?)のボディーカラーをそのまま引き継いでいる。私は現役の大阪市電に乗った記憶はないが、なかなか渋い塗り分けではないか。

 大阪市電の全廃は、1969年。政令指定都市の中では、もっとも早い。

 3950型Greenliner。

 個性的な外観が特徴の連接車。
 軽やかなVVVFサウンドを残して、滑らかに走り去っていった。

 

広島かき

 市内を大回りする電車で広島駅に戻ったあと、今度はお好み焼きと並ぶ広島の味覚・かきを賞味することにした。

 本格的なかきのシーズンには、まだちょっと早いけれど、駅ビル(かなわ)で食べたかきは、つるりとした食感で、旨かった。

 写真上は焼きがき、下はかきのカルパッチョ。

 広島新幹線まつりは、ほんらい、夏休みのイベントとして企画されていたものだ。それが、ことしは台風の接近で、10月に延期となったものである。

 当初は、『地方のイベントだから、人出はそれほどでも....』と思っていたのだが、現実は大いに違った。広い運転所構内は、人また人で、まっすぐ歩けない位であった。

 参加者の多くは、小さな子供を連れた若いカップル。主催者のほうも、そのへんは十分理解しているようで、お子様向けの企画が多かった。私としては、鉄道ファンと言うか、もう少し新幹線を知りたい人向けに、運転所の概要や展示車両・機械の解説があっても良かったと思うのだが...。

 ともあれ、あれだけの人が集まれば、JRとしては大成功と言えるのではないかと思う。

 参考リンク:JR西日本広島支社

 

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制作:2004年10月20日 修正:2004年10月21日