粟津温泉 総湯

 粟津温泉は718年(養老2年)に開湯されたと伝えられる北陸有数の古湯である。ならば、総湯もさぞかし由緒ある建物だろう---というおおかたの期待に反して、それは、鉄骨むき出しの箱形ビルであった。
 1970年に改築されたという前衛的な建物は、ところどころに錆が浮き、少々くたびれた感じが否めない。

 脱衣室と浴室の壁は、同じ意匠のタイル張り。仕切りは全面ガラスで、70〜80年代に造られた都会のサウナの大浴場と言った表情である。

 洗い場の奥に石張りの浴槽がある。わずかなオーバーフローがあったが、かなり強い塩素臭が漂う循環式で、ちょっとがっかり。唯一、浴槽の隅にある飲泉場のみが歴史ある温泉地の総湯を主張している。

 建物・お湯ともに、温泉ファンにとってまったく期待はずれの粟津温泉総湯だが、じつは、移転・新築の計画が進んでいる。倒産した旅館の敷地を買い取り、2008年までに和風木造平屋の新総湯を造るのだという。
 「身の丈にあった総湯をつくり、湯質、歴史、文化で勝負したい」という町会長の心強いコメントも出ているから、きっと源泉かけ流しの素晴らしい施設ができるに違いない。

 おおいに期待したいと思う。

参考:北國新聞

お気に入り指数:★★☆☆☆

施設DATA
温泉名 粟津温泉
施設名 総湯
施設の種別 日帰り入浴施設
所在地 〒923-0326 石川県小松市粟津町ワ35(→地図)
電話番号 0761-65-1120
参考サイト 粟津温泉観光協会
営業時間 08:00〜22:00(8のつく日定休。ただし、土日祝日の場合は、前後の平日)
料金 大人:300円、小人:200円
無料の備品 鍵つきロッカー
浴場施設 内湯
駐車 可能
入浴日 2006年10月9日
備考 <0238>
非加水(湯量不足の際は加水することあり)・循環・加熱・消毒剤使用
新総湯の完成に伴い閉鎖済み。

温泉DATA
源泉名 粟津温泉(総湯源泉)
湧出地:石川県小松市粟津町ワ35番地(→地図)
泉質 ナトリウム-硫酸塩・塩化物泉[低張性-中性-温泉]
泉温 40.9℃(気温:18.0℃)
湧出量 8.6L/min(動力)
知覚的試験 無色澄明、無味無臭
pH値 7.3
ラドン 0.14×10-10キュリー/Kg
密度 0.9993g/cm3(20℃)
蒸発残留物 1.480g/Kg(130℃)
溶存物質総計(ガス性のものを除く) 1.57g/Kg
分析年月日 2003年4月25日
情報源 ロビーの掲示(温泉分析書のコピー)
1Kg中の成分

  
陽イオン mg
リチウムイオン <0.1
ナトリウムイオン 437.7
カリウムイオン 7.8
アンモニウムイオン <0.1
マグネシウムイオン 1.0
カルシウムイオン 65.7
ストロンチウムイオン <0.1
バリウムイオン <0.1
アルミニウムイオン <0.1
マンガンイオン <0.1
鉄(II)イオン 0.5
鉄(III)イオン 0.8
陽イオン合計 513.5
陰イオン mg
フッ素イオン 5.1
塩素イオン 266.1
臭素イオン 0.7
ヨウ素イオン 0.7
水酸化物イオン <0.1
硫化水素イオン <0.1
硫酸イオン 612.3
チオ硫酸イオン <0.1
ヒドロリン酸イオン 0.2
炭酸水素イオン 90.1
炭酸イオン 0.1
メタ亜ヒ酸イオン <0.1
陰イオン合計 975.3

非解離成分 mg
メタケイ酸 74.0
メタホウ酸 7.2
非解離成分合計 81.2
溶存ガス成分 mg
遊離二酸化炭素 58.4
遊離硫化水素 <0.1
溶存ガス成分合計 58.4

 


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制作:2006年10月10日 修正:2010年01月20日