松之山温泉 鷹の湯


松之山温泉街


鷹の湯2号源泉

 松之山温泉は新潟県西部の山あいにあり、鷹が同じ場所に舞い降りるのを見た木こりが掘り当てたという伝承が残る古い温泉地でもある。

 泉温:約84℃、溶存物質:15g/Kgという高温・高張の温泉で、草津・有馬とともに、日本三大薬湯のひとつとして数えられている。

 少し離れた場所にある新しい日帰り入浴施設『ナステビュウ湯の山』のほうが設備が整っているときいたが、温泉街の中心にある外湯---鷹の湯に入ってみることにした。

 狭い通りの両側に10軒余りの湯宿と土産物屋・飲食店が軒を連ねるコンパクトな温泉街。大型連休の真っ最中とあって、どの旅館にも満員御礼の札が掲げられている。廃業した旅館ばかりの温泉地が少なくない中で、松之山温泉は適度な活気と鄙びが同居する好ましい状況にあると思う。
 温泉街が尽きたところに、白い湯気を吹き上げる源泉があった。1964年に掘削された鷹の湯2号井で、地下263.7mから84.5℃の温泉が自噴しているのだという。

 温泉街の探索を終えたところで、いよいよ入湯してみる。鉄筋コンクリート2階建ての鷹の湯には、観光客とおぼしき人たちのほか、浴具を手にした地元の方が次々と集まってきた。

 浴室にはタイル張りの主浴槽があり、扉を出たところに屋根付きの露天風呂がある。今はまだうずたかい残雪に埋もれているが、夏から秋にかけては渓流を眺めながらの入浴を楽しめるのだという。

 内湯・露天とも、湯口からは源泉と加水・循環された湯とが別々に注がれている。前者を味見したいところだが、80℃を超える高温泉で、とても舐めたりはできない。適温の循環湯を口に含むと強い塩味を感じ、コールタールみたいな石油系の匂いがした。当サイトでは温泉の効能は意図的に無視しているが、いかにも効きそうな感じのお湯で、日本三大薬湯の名もあながちウソではないような気がする。

 小さな畳敷きの休憩コーナーがあるが、風呂上がりに飲食の設備はない。
 もっとも、温泉街を歩けば飲み食いできるお店はいくらでもある。と言うより、それが正しい温泉地の楽しみ方であろう。

 今度は、湯宿を予約したうえで再訪したいと思う。

お気に入り指数:★★★★☆

施設DATA
温泉名 松之山温泉
施設名 鷹の湯
施設の種別 日帰り入浴施設
所在地 〒942-1432 新潟県十日町市松之山湯本18-1(→地図)
電話番号 025-596-2221
参考サイト 松之山観光協会
松之山旅館組合
松之山商工会
営業時間 10:00〜22:00(12〜3月は21:00まで、毎週木曜日定休(祝日の場合は翌日、5〜12月は第2・4木曜日のみ))
料金 大人:400円
無料の備品 ボディーソープ・シャンプー・鍵つきロッカー・ドライヤー
浴場施設 内湯、露天風呂
駐車 可能(乗用車5台くらい)
※温泉街入り口に無料駐車場あり。
入浴日 2006年5月5日
備考 <0214>

温泉DATA
源泉名 鷹の湯1号(湧出地:新潟県東頸城郡松之山町大字湯本54-2)、鷹の湯2号(湧出地:新潟県東頸城郡松之山町大字湯本524-4)
泉質 ナトリウム・カルシウム-塩化物泉[高張性-弱アルカリ性-高温泉]
泉温 鷹の湯1号:83.0℃(気温:28℃)、鷹の湯2号:84.5(気温:28℃)
湧出量 126.7L/min(掘削による自噴、鷹の湯1号と鷹の湯2号の合算)
知覚的試験 無色透明で油様臭を有する
pH値 7.8
ラドン 未測定
密度 1.0095g/cm3(20℃/4℃)
蒸発残留物 15.660g/Kg(180℃)
溶存物質総計(ガス性のものを除く) 15.090g/Kg
分析年月日 2004年9月7日
情報源 ロビーの掲示(温泉分析書のコピー)
1Kg中の成分

  
陽イオン mg
水素イオン 2.1
ナトリウムイオン 3395
カリウムイオン 128.5
アンモニウムイオン 31.8
マグネシウムイオン 2.4
カルシウムイオン 1907
ストロンチウムイオン 26.9
バリウムイオン 1.0
アルミニウムイオン 0.1
マンガンイオン 0.2
鉄(II)イオン 0.1未満
鉄(III)イオン 0.1未満
銅イオン 0.1未満
陽イオン合計 5495
陰イオン mg
フッ化物イオン 2.4
塩化物イオン 8932
臭化物イオン 32.3
ヨウ化物イオン 5.3
硫化水素イオン 0.1未満
硫化物イオン 0.1未満
硫酸イオン 202.2
チオ硫酸イオン 0.6
硫酸水素イオン 5.0未満
炭酸水素イオン 40.1
炭酸イオン 0.2
陰イオン合計 9215

非解離成分 mg
メタケイ酸 93.5
メタホウ酸 282.0
メタ亜ヒ酸 0.1未満
非解離成分合計 375.5
溶存ガス成分 mg
遊離二酸化炭素 1.1
遊離硫化水素 0.1未満
溶存ガス成分合計 1.1

 


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制作:2006年05月09日 修正:2010年03月13日