湯ノ口温泉


飲泉場

 紀伊山地の懐深くに湧く温泉。1978年に廃坑となった旧紀州鉱山のトロッコに乗って行く湯として知られている。

 公式サイトで、トロッコの時間などを入念に調べたうえで出かけたのだが、乗り場はシャッターがおりたまま。張り紙によれば、坑道改修工事のため、2006年8月末まで全面運休中なのだという。いろいろ事情はあろうが、こういう大事なことは、すぐにHPで告知してくれないと困る。(5年前に行ったときのレポートはこちら)

 気を取り直して北山川沿いの林道を10分ばかり走り、温泉に着く。トロッコが走らないからかどうかは知らないけれど、駐車場は思いのほかすいていた。

 木造の湯屋には、4畳半ほどの広さの岩風呂があり、わずかな塩味を感じるお湯がかけ流しになっている。浴用に適した源泉温度なので、循環はもちろん、加水も加熱もしない、自然そのままのお湯なのだという。
 内湯の外には、やはり岩で作った露天風呂---全部が屋根に覆われているから、厳密に言えば"露天"ではないけれど---がある。対岸にコテージがあるので、男湯と言えどもかなり高い目隠し塀があり、開放感はいまひとつ。しかし、澄みきった山の空気を吸い込んでの入浴は爽快であった。
 建物の外には、飲泉場もある。ひと口含んでみたが、匂いや金気の少ない飲みやすい湯であった。

 周囲には、ロッジやバンガローがあり、宿泊も可能。冬場のいまは開店休業かと思ったら、布団が敷かれたままの部屋がいくつかあった。どうやら、湯治に訪れるお年寄りがいるとみえる。

 自炊が基本の施設なので、共同炊事場や飲み物の自販機はあるが、食事ができる施設はない。

 その地名が示すように、湯ノ口温泉は700年近く前から知られた古い温泉である。かつては湯治場として利用されたらしいが、昭和初期に行われた紀州鉱山の開発に伴って、その湯脈はいったん失われた。しかし、1979年に行われたボーリング中に地下1,300m付近から再び温泉が湧き出し、現在の施設が造られたのだという(施設前にあった案内板による)。

 熊野市中心部からは、国道311号線を使って快適なドライブだが、本宮方面に通じる国道169号線・311号線は、かなり狭隘なので、大型RVにお乗りの方は慎重にハンドルを握られたほうがいいだろう。

お気に入り指数:★★★★☆(→もし、トロッコが動いてたら★5つ!)

施設DATA
温泉名 湯ノ口温泉
施設名 湯ノ口温泉
施設の種別 日帰り入浴施設
※コテージ併設・宿泊も可能。
所在地 〒519-5416 三重県熊野市紀和町湯ノ口10番地(→地図)
電話番号 05979-7-1126
公式・参考サイト 三重県紀和町 入鹿温泉瀞流荘 / 湯元山荘湯ノ口温泉
営業時間 09:00〜21:00
料金 大人:300円、小人(0〜14歳):100円
無料の備品 ボディーソープ・鍵つき貴重品ロッカー・ドライヤー
浴場施設 内湯、露天風呂、湯治浴室
駐車 可能
入浴日 2006年2月11日
備考 <0199>

温泉DATA
源泉名 湯ノ口温泉(湧出地:三重県南牟婁郡紀和町湯ノ口字峯10番地)
泉質 ナトリウム・カルシウム-塩化物高温泉[低張性-弱アルカリ性-高温泉]
泉温 44.0℃(気温:14℃)
※1990年4月3日の分析書では、46.2℃(気温:21.3℃)
湧出量 200L/min(自然湧出、掘さく自噴、動力揚湯)
※1990年4月3日の分析書では、230L/min(動力揚湯圧搾空気式15.0KW)
知覚的試験 殆ど無職澄明、微弱鹹味無臭
pH値 7.70
ラドン ---×10-10キュリー
密度 g/cm3(20℃/4℃)
蒸発残留物 ---g/Kg
溶存物質総計(ガス性のものを除く) 1.883g/Kg
分析年月日 1979年11月26日
情報源 浴場の掲示
1Kg中の成分

  
陽イオン mg
ナトリウムイオン 374.4
カリウムイオン 6.8
マグネシウムイオン 27.1
カルシウムイオン 280.8
鉄(II)イオン 0.7
陽イオン合計 689.8
陰イオン mg
フッ素イオン 4.6
塩素イオン 1076
硫酸イオン 16.5
炭酸水素イオン 49.5
炭酸イオン 0.2
陰イオン合計 1147

非解離成分 mg
メタケイ酸 36.4
メタホウ酸 9.8
非解離成分合計 46.2
溶存ガス成分 mg
遊離二酸化炭素 4.2
溶存ガス成分合計 4.2

 


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制作:2006年2月11日 修正:2006年2月13日