みなべ温泉(梅香丘温泉) 国民宿舎 紀州路みなべ |
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肌がすべすべになるアルカリ性温泉。しかし、実際には、アルカリ度の高さ(pHの大きさ)がそのまま"すべすべ度"を表すわけではない。 温泉技術者のやませみ氏の論文(関東周辺立ち寄り温泉みしゅらん : 温泉の科学 : つるつる温泉の謎)によれば、ナトリウムイオンを横軸、炭酸イオンを縦軸にしたグラフを作成すると、その右上にくる泉質の温泉ほど、つるつる・にゅるにゅる感が強くなるのだそうだ。pHの大きさは必ずしも関係がない。 目指す国民宿舎は、太平洋を望む小高い丘の上にある。フロントで入浴料を払い、さっそく大浴場へ。入口には、温泉分析表の抜粋が掲示されている。注目の炭酸イオンは、251.5mg/Kg。これまで私が見た分析表の中では、断然トップの驚くべき値である。 脱衣ももどかしく、浴室に入る。シンプルな浴槽がひとつあるだけだが、広いガラス窓の向こうには、遥か太平洋の水平線が見える。かかり湯をして、さっそく湯につかってみたのだが------その触感は私の期待をおおいに裏切るものであった。 ご承知のように、浴槽のお湯の成分は、必ずしも源泉の成分とは一致しない。加えて、浴槽には気泡発生装置があるので、お湯が思いのほか短時間で変質している可能性もある。つまり、前述の論文に誤りがあるとは言えないのだけれど、実はひそかに期待していただけに、私は相当に落胆した。 ただ、施設の名誉のために申し添えれば、浴場は清潔で快適なものであったし、殊にその眺望は特筆すべきものである。宿泊施設であるにもかかわらず、日帰り入浴客のための畳敷きの休憩室も準備されており、私のように温泉分析表に妙なこだわりさえ持たねば、かなり満足できる施設ではないかと思う。 紀州路みなべを辞して国道42号線に入ろうとした時、怪しげな櫓が目に入った。 地中から湧き出したままの源泉につかって、炭酸イオン:251.5mg/Kgはいかなるものなのか、是非とも経験してみたいと思うのだが、こういう形態である以上、国民宿舎が独自に源泉風呂を設けることは難しいのではないかと思った。残念!! お気に入り指数:★★★☆☆
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制作:2005年3月10日 修正:2005年3月12日