七釜温泉 公衆浴場


飲泉場(洗濯場?)


建設中の新施設

 "松葉ガニの水揚げ日本一"で知られる兵庫県浜坂町にある温泉。

 1955年、飲料水用の井戸を掘っていたときに偶然発見されたもので、50℃近い泉温と720L/minもの豊富な湯量が特徴である。関西には珍しい、硫酸イオンを主体とした泉質(芒硝泉・石膏泉)で、療養効果が高いとして近隣の人たちに人気があるという。町内にある他の2か所の温泉とあわせて、兵庫県唯一の国民保養温泉地にも指定されている。
 地区には十数軒の旅館や民宿があるが、いずれも質素で小規模なものばかり。歴史が浅いからしっとりとした温泉情緒はないけれど、の〜んびり休養するには案外穴場かも知れない。

 さて、今回訪問した七釜温泉公衆浴場は、七釜地区の共同湯。ささやかな温泉街の一角に質素な木造モルタルの建物がある。
 浴室には、4畳半ほどの四角い湯船がひとつ。少し濁った湯が掛け流しになっている。泉温が高いので、関西標準からすると相当に熱い。
 浴室奥にある非常口みたいな扉を開けると、七釜温泉名物の釜風呂がある。こちらももちろん掛け流し。ざーっと溢れるお湯の音が心地いい。

 建物をバックに記念撮影をしてたグループもいたが、お客の主体はやはり地元の人たちで、風呂上がりには世間話に花が咲く。
 泉質、情緒、いずれでみても、関西では数少ないまっとうな共同湯といえるであろう。

★  ★  ★

 1971年に造られた公衆浴場は老朽化が激しく、現在、新しい入浴施設(七釜温泉ふれあいセンター)の建設が進められている。帰りに偶然その工事現場を見ることができたが、ちょうど鉄筋コンクリートの壁と屋根ができ上がったところであった。

 浜坂町の広報誌(下記)に新施設の概要が掲載されているが、それによると、面積は現在の約4倍となり、10の浴槽が設けられる。開業予定は2005年7月とのこと。
 この種の改築では、広くて豪華な施設と引き換えに、肝心の温泉の質はガタ落ちになるのが常なのだけれど、七釜温泉の新施設では掛け流しを守るということだから、温泉ファンもおおいに期待してよさそうだ。

お気に入り指数:★★★★★

※新浴場(ゆーらく館)の完成に伴い、2005年6月末日で閉鎖。

施設DATA
温泉名 七釜温泉(しちかまおんせん)
施設名 公衆浴場
施設の種別 共同湯
所在地 〒669-6741 兵庫県美方郡浜坂町七釜(→地図)
電話番号 (なし)
参考サイト 浜坂町観光協会
浜坂町役場:広報はまさか16年9月号(PDFファイル)
営業時間 08:00〜20:00(最終受付 19:30、毎週水曜日定休)
料金 大人:200円、小人(0歳〜小学生):100円
無料の備品 (特になし)
浴場施設 内湯、釜風呂
駐車 可能(乗用車約10台)
入浴日 2005年1月30日
備考 <0107>

温泉DATA
源泉名 ゆう出地:兵庫県美方郡浜坂町七釜字段山87-1
貯湯タンクに七釜1号泉および2号泉を集中貯湯している。
泉質 石膏泉(緩和性低張性高温泉)
泉温 48℃
湧出量 720L/min
性状 清澄
pH値 7.50
ラドン 4.21×10-10キュリー
密度 0.9999g/cm3(20℃/4℃)
蒸発残留物 1.4863g/L
溶存物質総計(ガス性のものを除く) 1.525g/Kg
分析年月日 1978年6月30日
情報源 脱衣場の掲示
1Kg中の成分

  
陽イオン mg
ナトリウムイオン 311.0
カリウムイオン 7.84
マグネシウムイオン 19.7
カルシウムイオン 111.1
鉄(II)イオン 0.03
マンガンイオン 0.06
リチウムイオン 2.57
アルミニウムイオン 0.03
陽イオン合計 452.3
陰イオン mg
フッ素イオン 2.87
塩素イオン 92.3
硫酸イオン 757.4
ヒドロ炭酸イオン 100.0
炭酸イオン 0.29
水酸イオン 0.0085
ヒドロケイ酸イオン 1.156
メタホウ酸イオン 0.214
陰イオン合計 954.2

非解離成分 mg
メタケイ酸 117.5
メタホウ酸 0.574
非解離成分合計 ---
溶存ガス成分 mg
遊離二酸化炭素 6.54
溶存ガス成分合計 ---

 


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制作:2005年2月1日 修正:2005年8月26日