勝浦温泉 海のホテル一の滝


那智湾を望む浴場


夕餉の膳


客室から見る夜明け

 南紀勝浦は、遠い。

 吹田から150Km。高速道路は、みなべICで尽きた。そこから更に国道42号線を140Kmも走って、やっと着く。たっぷり半日がかりの道のりである。けれども、そこには、蒼く輝く海と極上の温泉が待っている。

 勝浦と言えば、洞窟風呂で知られる巨大ホテルが有名だが、この日は、勝浦でも数少ない源泉100%・掛け流しの風呂があるという"海のホテル一の滝"に宿をとった。

 JR紀伊勝浦駅からすこし離れたところにあるこぢんまりとした旅館で、鉄筋3階建ての建物はやや古びた感が否めない。けれども、どの客室からも、海が見える。ただ、見えるだけではない。窓を開けると、潮の匂いが嗅げる。それほどまでに、海が近いのだ。

 お目当ての浴場は、大小2つの湯船があるだけのシンプルなものであった。大きめの浴槽は40℃前後に加温された源泉、小さめのそれには、加温されない源泉がそのまま注がれている。かなり強い硫化水素臭があり、ざあざあ溢れる湯に身を委ねると、数百Kmのドライブの疲れも吹き飛んでしまう。
 休憩室の掲示によれば、2本の源泉を混合して用いているようで、浴槽の湯はもちろん、洗い場のシャワー、果ては客室の洗面台の湯にいたるまで、すべて温泉なのだそうだ。

 部屋でいただいた夕食は、伝統的な旅館料理の範疇だが、マグロの刺身はさすがに旨い。

 夕食後、再び浴場に向かったのだが、思いのほか混んでいる。脱衣場前には、スリッパではなく、スニーカーやサンダルが乱雑に並ぶ。つまり、お湯につかっているのは、宿泊客ではなく、みな、地元の外来入浴客なのだ。
 宿泊施設が、午後11時まで外来入浴を受け付けるのは異例だが、実質的には地元客相手の温泉銭湯として営業しているのである。泡風呂やサウナなど、派手な設備は一切ないけれど、それでもこれだけの客を集めるというのは、ひとえにその湯の秀逸さによるのだろう。
 この日は3回温泉につかり、波の音を聞きながら眠りについた。

 翌朝は、ひと風呂浴びてから、勝浦港にある漁協に向かった。近海マグロのせりを見学するためだ。
 いっときよりも水揚げは減ったというが、それでも、銀色に輝く巨大なマグロが、床いちめんに並んでいるさまは、なかなか壮観であった。

お気に入り指数:★★★★☆

施設DATA
温泉名 勝浦温泉
施設名 海のホテル一の滝
施設の種別 旅館
所在地 〒649-5334 和歌山県東牟婁郡那智勝浦町勝浦752ce%a5%db%a5%c6%a5%eb%b0%ec%a4%ce%c2%ec,no=87 -->地図)
電話番号 0735-52-0080
公式・参考サイト 南紀勝浦温泉 海のホテル一の滝
那智勝浦町のホームページ
那智勝浦町観光協会
営業時間 15:00〜23:00(外来入浴)
料金 大人:500円(外来入浴)
無料の備品 ボディーソープ・シャンプー・ドライヤー
浴場施設 内湯
駐車 可能
入浴日 2004年11月3〜4日
備考 <0087>


温泉DATA
源泉名 勝浦温泉一の滝(源泉所在地:和歌山県東牟婁郡那智勝浦町大字金嶋752番地の2)
泉質 単純温泉
泉温 38.8℃(気温:35.0℃)
湧出量 145L/min(動力揚湯2馬力)
知覚的試験 無色微混濁にて、中硫化水素臭、微弱鉱味である。
pH値 8.1
ラドン ---×10-10キュリー
密度 0.999g/cm3(25.0℃/4.0℃)
蒸発残留物 0.694g/Kg(130℃)
溶存物質総計(ガス性のものを除く) 0.679g/Kg
分析年月日 2002年8月20日
情報源 休憩室の掲示(温泉分析書のコピー)
1Kg中の成分
     

    

陽イオン mg
ナトリウムイオン 208.
カリウムイオン 3.8
マグネシウムイオン 6.9
カルシウムイオン 21.9
鉄(II)イオン 0.3
マンガンイオン 0.1未満
水素イオン 0.1未満
アルミニウムイオン 0.6
陽イオン合計 241.5
陰イオン mg
フッ素イオン 4.4
塩素イオン 363
水酸イオン 0.1未満
硫化水素イオン 0.5
硫酸イオン 19.7
炭酸水素イオン 18.9
炭酸イオン 3.0
チオ硫酸イオン 0.4
メタケイ酸水素イオン 1.0
メタホウ酸イオン 0.1未満
陰イオン合計 410.9

非解離成分 mg
メタケイ酸 26.8
メタホウ酸 0.3
非解離成分合計 27.1
溶存ガス成分 mg
遊離二酸化炭素 0.3
硫化水素 0.1未満
溶存ガス成分合計 0.3

 

温泉DATA
源泉名 一の滝2号(源泉所在地:和歌山県東牟婁郡那智勝浦町勝浦752)
泉質 単純温泉
泉温 36.5℃(気温:14.0℃)
湧出量 166L/min
知覚的試験 無色透明にて、弱硫化水素臭、微弱鉱味である。
pH値 8.4
ラドン ---×10-10キュリー
密度 0.999g/cm3(25.0℃/4.0℃)
蒸発残留物 0.562g/Kg(130℃)
溶存物質総計(ガス性のものを除く) 0.536g/Kg
分析年月日 2002年10月30日
情報源 休憩室の掲示(温泉分析書のコピー)
1Kg中の成分
     

    

陽イオン mg
ナトリウムイオン 160.
カリウムイオン 1.1
マグネシウムイオン 0.2
カルシウムイオン 20.5
鉄(II)イオン 0.1未満
マンガンイオン 0.1未満
水素イオン 0.1未満
アルミニウムイオン 0.2
陽イオン合計 182.0
陰イオン mg
フッ素イオン 4.7
塩素イオン 268
水酸イオン 0.1未満
硫化水素イオン 1.0
硫酸イオン 15.2
炭酸水素イオン 22.6
炭酸イオン 6.0
チオ硫酸イオン 0.1未満
メタケイ酸水素イオン 2.5
メタホウ酸イオン 0.1未満
陰イオン合計 320.0

非解離成分 mg
メタケイ酸 33.4
メタホウ酸 0.3
非解離成分合計 33.7
溶存ガス成分 mg
遊離二酸化炭素 0.2
硫化水素 0.1未満
溶存ガス成分合計 0.2

 


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制作:2004年11月5日 修正:2004年11月14日