晩秋の東北旅行---海底駅(1)


快速『海峡2号』と臨時の団体専用列車(函館駅)


函館朝市全景(ホテル5階から)


函館朝市で


うに・いくら丼


『海峡2号』の乗客

『海峡2号』の乗客

函館朝市

 朝6時15分、目覚まし時計で目が覚めた。急いで身支度をし、朝市を見学する。空気が冷たい。
 市場は既に営業を始めていて、タラバガニや毛ガニ、イクラやウニなどの海産物のほか、メロンや馬鈴薯、玉葱など、北海道の農産物が売られている。近年は観光化が進んだらしいが、ロシア語や英語のパッケージに包まれた、明らかに冷凍と思われる商品は、ない。

 市場をひとまわりしたあと、食堂で朝食。ラーメンとうに・いくら丼がセットになったメニュー。安くはなかったけれど、透き通ったスープの塩ラーメンは、旨かった。

『海峡2号』の乗客たち

 函館駅に戻り、青森行きの『海峡2号』に乗る。今日は、竜飛海底駅で下車し、青函トンネル記念館を見物する予定でいる。

 最前部の海底駅見学専用車両に乗り込むと、意外にも初老の男性が十数人いて、皆、新聞を読んだり、居眠りをしてたりする。彼らはいったい何者であろうか。函館を出るとすぐに車掌が検札に来たが、このおじさんたちには見向きもしない。

 途中、いくつかの駅で、下り列車と交換する。ライトグレーに黄緑・薄紫のラインが入ったJR北海道の気動車である。江差線内だけを走る区間列車で、平日ならば高校生で満員になるのだろうが、休日の今日はガラガラである。

 木古内着。しかし、おじさんたちは動じない。やはり、新聞を読んだり、じっと目をつぶったままである。

 しかし、吉岡海底駅到着の直前に、その謎が解けた。
 おじさんたちの約半数がやおら立ち上がって、下車の準備を始めた。どうやら、彼らは吉岡海底駅の"駅員"らしい。『海峡2号』は、吉岡海底駅に停車する最初の列車である。この駅の"駅員"は、旅客と一緒に通勤していたのである。

 駅と言うより、トンネル内の一地点のような吉岡海底駅に停車。家族連れ1組とともに"駅員"が下車した。

 となると、残り半数の男たちは、無論竜飛海底駅の"駅員"だろう。
 竜飛海底駅が近づくと、一人の男性が私に近づき、帽子を脱いで挨拶をすした。

 『海底駅を案内する○○でございます。今日は皆さまのお供をさせていただきます。』

 列車は程なく竜飛海底駅に停車。前よりの出口から下車する。
 この日、『海峡2号』から降り立ったのは、"駅員"5名と客3名の合わせて8人であった。

続く

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2001年11月10日 制作 
2001年11月21日 修正