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■紅葉の奥入瀬と酸ケ湯温泉■JRバス東北・十和田北線 今日は一日、列車に乗らない日である。 十和田湖行きバスの乗り場は、駅前広場の北の隅にある。すでに大型観光バススタイルの十和田湖行きが客を待っていた。 青森から十和田湖に向かうバスは、戦前に開設された歴史ある路線だそうである。日本屈指の観光地に向かう路線として、1970年代には隆盛を極めたらしいが、マイカーと貸切バスによるパックツアーが普及した現在ではかつての賑わいはない。 ワンマンバスだが、青森を出発すると同時に、女声による案内放送が始まる。まるでバスガイドが乗務しているかのようである。しかし、テープによる放送であるから、その日の気候や天候に応じた放送はできない。『天候によってご覧になれないこともありますが、テープは見えるものとして放送します』という注釈が面白かった。 通勤ラッシュの青森市街を抜けて、バスは八甲田山への上りにかかる。街路樹が真っ赤に色づき、里は秋まっさかりといった風情である。八甲田山頂は雲で覆われているが、振り返って見る陸奥湾の眺めは素晴らしかった。 八甲田山は、すべての広葉樹が葉を落とし、早くも初冬の装いであった。 十和田温泉郷はひっそりとしていたが、焼山で大量の乗車がある。民間資本が経営する温泉があり、その宿泊客らしい。 ■奥入瀬散策9時57分、石ケ戸着。焼山で乗った客が大挙して下車。真新しいビジターセンターには、多数の観光客の姿が見える。 今日はここから子ノ口まで、約9Km強を歩く予定である。これまで、手提げの紙袋に入れていた時刻表や電子手帳をリュックサックに仕舞い、荷物をひとつにまとめて渓流を歩き始めた。 石ケ戸には多くの観光客がおり、沢山の人が歩き始めるのかと思ったが、皆、渓流を背景に記念撮影なぞをするのみで、5分も歩くと人の姿はなくなった。観光地を忙しく回るパックツアーでは、半日を費やしてハイキングをするような贅沢は許されないのだろう。 奥入瀬の紅葉はピークを過ぎたようであったが、それでもはらはらと枝から舞い散る落葉を見ながらのハイキングは爽快であった。よく整備された遊歩道は、赤・茶・黄、色とりどりの落ち葉が敷き詰められ、一歩踏み出すたびに、足底にやわらかな感触が伝わってくる。奥入瀬の流れは、昨日の雨のためか、かなり多い。けれども、湖から流れ出す河川なので、まったく濁りはない。 並走する国道は、大型観光バスがひっきりなしに行き交っている。 途中、10分位雨に降られてしまったけれど、13時まえ、無事に子ノ口に到着。遊覧船乗り場前にある食堂で昼食。今日では珍しくなった食券制で、カラダを動かしたあとに呑むビールは極上の味がした。 |
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2001年11月10日 制作
2001年11月21日 修正