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■五能線『リゾートしらかみ』■新発想の体験観光型列車秋田で1時間余りの待ち合わせのあと、今度は五能線の『リゾートしらかみ』に乗る。 『リゾートしらかみ』は、1997年、従来の『ノスタルジックビュートレイン』に代わって登場した観光列車である。単に列車を走らせるのみならず、地元自治体と提携して、主な停車駅ごとに体験型のイベントをセットしているところが目新しい。 平日の列車であるから、ほとんど貸切同然であろうと思っていたが、秋田駅では案外多くの乗客が列車の入線を待っていた。"東京弁"を喋る客が多い。秋田新幹線と合わせて、首都圏ではさかんに宣伝されているのであろう。けれども、JR西日本管内でのPRは皆無で、実は私も、時刻表を見て初めて知ったというありさまである。 9時47分、定員の2割位の乗客を乗せて、『リゾートしらかみ』は秋田を発った。 『リゾートしらかみ』は、ローカル線用に製造された40系気動車の改造である。しかし、出入り口デッキにその面影が残る以外は、どこから見ても新造車にしか見えない。 八郎潟干拓地の果てしなく続く水田を眺めながら、列車は東能代へと向かう。車内販売のワゴンが来たので、ホットコーヒーを注文。特急列車でも車内販売がないいま、JR東日本秋田支社の『リゾートしらかみ』への力の入れようは尋常ではないと思った。 そう言えば、さっきからスーツ姿のJR東日本社員が、車内を回ってイベントのPRや観光案内をしている。極めて異例のことである。JR東日本秋田支社、そして、五能線沿線の町村にとって、『リゾートしらかみ』は、ローカル線の生き残りをかけた最後の戦略商品であるに違いない。 東能代では、秋田からの特急『かもしか1号』と接続をとり、いよいよ五能線に乗り入れる。 最初の停車駅・能代では、いきなりミニイベントがある。 能代から先、鯵ケ沢まで、五能線は日本海の海岸に沿って走る。平地は少なく、白神山地が海岸近くにまで迫っている。寂寥感溢れる車窓風景は、日本の鉄道の中でも屈指のものとされている。しかし、逆に言えば、そんな淋しいところに観光客を呼び込むのは容易なことではない。 11時42分、十二湖着。『リゾートしらかみ』の大半の乗客が下車する。中年男女の団体は、路線バスで十二湖方面に向かうようだが、私はサンタランド白神に行くことにした。
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2001年11月10日 制作
2001年11月21日 修正