快速湯巡り山陰号(安来駅)
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■快速湯巡り山陰号倉吉からは、米子行きの普通列車が連絡している。10月のダイヤ改正で登場したばかりの新型気動車が充当されていて、ちょっと食指が動くが、計画通りの列車に乗ろうと思う。 湯巡り山陰号は、出雲市-鳥取間に1日1往復運転される臨時列車である。グリーン車を遥かに凌ぐ設備の客車3両と中間展望車1両の計4両。これを専用のDE10型ディーゼル機関車が牽く。折り返し時の機関車の付け替えを省略するために、客車の最後尾にも運転席があるのが目新しい。 スーパーはくとの写真を撮影しているうちに、京都方から列車が入線してきた。 車内は、大きなテーブルがついたボックスシートが並ぶ。窓2つがひと区画だから、1席あたりのスペースは普通の倍である。けれども、その豪華な車内に乗客は数えるほどしかいなかった。 列車は、ところどころで右手に日本海を望みつつ、客車列車にふさわしい速度で走る。本来ならば左手に大山が見えてくるはずだが、あいにく雲が低くたれこめており、山頂を望むことはできなかった。 途中、いくつかの駅で運転停車をしながら、約1時間で米子に到着。6分間停車する。 米子は、JRの支社もある拠点駅である。駅舎の反対側が車両基地なっていて、さまざまな車両が留置されているのをホームから眺めることが出来る。 米子を出た列車は、次の安来で約20分停まり、後続の普通電車に道を譲る。単線区間の臨時列車だから、思い通りに走る訳にはいかないのはわかるが、それにしても停車時間が長い。停車駅数は特急並みだが、それで稼いだ時間を長時間停車で消費し、結局、鈍行よりものろい。 16時45分、高架の松江駅に到着。 天気がいまひとつのせいもあって、あたりはだいぶ暗くなってきた。ここで、今度は特急スーパーまつかぜ5号を退避する。わずかな停車時間に多くの客を飲み込んだ新型特急は、気動車とは思えぬ猛烈な加速で走り去っていった。 松江を出ると、右手に宍道湖を望めるようになる。"夕日がきれいな湖"としてPR中であるが、曇天の今日は、夕日は見えない。 17時01分、玉造温泉駅に到着。玉造温泉は、山陰屈指の規模を誇る温泉だが、私のほかに湯巡り山陰号から下車した客はいなかった。 タクシーで温泉街に向かう。運転手によれば、景気のいい話が少ない昨今だが、さすがに今晩はどの宿も予約でいっぱいで、約6,000人が宿泊するのだそうである。 予約してあった宿は、規模の大きな温泉旅館である。 夕食後、私は温泉街を一回りしてみた。数軒の飲食店に明かりがともっている以外、営業中の店は皆無で、人通りはほとんどない。6,000人の宿泊客がいるとは思えないほど寂しげな温泉街の姿であった。 |
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2003年10月16日 制作 2003年10月20日 修正