青春18---ステーキとスイッチバックの旅

資料編

旅行中に記録した音

 今回の旅行で利用した列車の大半がワンマンカーで、かつ、エアコンがフル稼働していたためにあまり面白い音は記録できませんでした。
 とりあえず、関西本線の232Dが柘植駅を出発する様子を公開します。ドアが閉まる前に、信号場で停車する旨の運転士の肉声アナウンスが入ります。
 ステレオ版・モノラル版とも、内容は同一です。ダウンロードに時間がかかる可能性があるので、まずはモノラル版でご試聴ください。(約1分36秒)

名古屋-大阪間の経路と運賃

 上図は、名古屋-大阪間のJR線の概念図である。
 赤の斜体で示したのは、各区間の営業キロ。いずれの線も本州3社の幹線なので、基本的には営業キロが短いほど運賃が安くなると考えてよい。

 さて、この図を見て、ざっと考えられる名阪間の経路と運賃を計算してみた。

経 路 営業キロ 運賃(円)
A:名古屋-(東海道本線)-大阪 190.4 3,260
B:名古屋-(関西本線)-天王寺-(大阪環状線)-大阪 182.1 3,260
C:名古屋-(関西本線)-柘植-(草津線)-草津-(東海道本線)-大阪 181.6 3,260
D:名古屋-(関西本線)-木津-(片町線)-京橋-(大阪環状線)-大阪 175.9 2,940

 Aはもっとも常識的な経路である。大阪駅の窓口で『名古屋まで』と言えば、普通はこの経路の切符を売ってくれる。現実には、新幹線利用を前提に『自由席でいいですか?』なぞと訊かれるかも知れないけれど、運賃計算上、新幹線は在来線と同じとみなされるから、どっちにせよ営業キロは190.4キロ、運賃3,260円である。

 Bは次に考えられる経路。関西本線経由のほうが営業キロが短いことは、時刻表の愛読者ならば常識だろう。現在の関西本線の運転系統は、亀山と加茂でほぼ完全に分断されているが、1970年代前半までは、名古屋-湊町間の直通列車があった。

 Cはちょっと意外な経路だが、旧東海道にもっとも忠実な経路とも言え、実はBよりも更に営業キロが短い。かつて、関西本線・草津線経由で名古屋と京都を結ぶ直通のディーゼル急行が運転されていたこともある。

 ただし、運賃表の距離区分のつごうで、181キロから200キロまでの乗車券は同じ値段だ。つまり、A・B・Cは、距離は異なるが切符の値段は同額である。

 では、名阪間の最短経路は、草津線経由なのだろうか?

 今回の旅行を計画して初めて気づいたのだが、実は関西線・片町線経由が最短なのである。私の時刻表愛読歴は少なくとも四半世紀に及ぶが、長らく木津-京橋間を直通する列車がなかったので、これまで一度も思いつかなかった。営業キロは175.9キロ。運賃表では、A〜Cよりも1ステップ下のコマに該当するので、切符の値段も安い。ただし、実際に乗ろうと思うと、少なくとも京橋・木津・加茂・亀山の4駅で乗り換えが必要で、もっとも実用性がない。

 鉄道史の観点からみると、B〜Dのルートはいずれもかつて名阪間の幹線鉄道として位置づけられていた時期がある。草津線の建設過程、官設鉄道vs関西鉄道のサービス合戦、加茂-新木津短絡線、"大仏鉄道"等をkeywordに関西の鉄道史を紐解くと、興味深い史実が無尽蔵で、それだけでひとつのHPが出来そうである。
 もっとも、今のところ私は他人様に解説する程の知識を持ち合わせていないので、参考になるサイトへのリンクを示してお茶を濁すことにする。

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2003年8月19日 制作 2004年4月6日 修正