新岐阜駅で
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■名鉄田神線 本日、最後の試乗は、名鉄田神線。美濃町線の電車を新岐阜駅に直通運転する目的で1970年に開設された路線である。 新関方面から来た電車は、競輪場前の信号扱い所を見ながら大きく左に曲がる。しばらく道路中央に敷かれた単線の軌道を走り、右に曲がったところが市ノ坪。今日乗ってきた岐阜市内線・揖斐線・美濃町線を走る電車の整備を行う工場が併設されている。 市ノ坪を出ると、左手から複線の線路が近づき、やがて合流する。1500V電化の立派な鉄道線路を路面電車規格の小型車両が走るさまは、なかなかユニークだ。 雑多な家屋が立ち並ぶ岐阜の下町を少し走ると、もう、終点の新岐阜である。夕方の上り電車ということもあるけれど、下車した客は10人もいなかった。 ■試乗を終えて今回レポートした各線("名鉄600V区間")は、毎年巨額の赤字を生んでおり、既に名鉄から廃止の届けや申請が提出されている。計画では、2005年3月末をもって、すべての路線の営業を終える予定である。 今回、各線に乗って感じたことは、名鉄は、利便性の向上のために、相応の努力をしてきたということだ。 けれども、鉄道事業者がこれほどまでの努力をしても、市民を振り返らせることはできなかった。 たとえば、路面にペンキで描かれただけの電停。 名鉄から、廃止を突きつけられた地元自治体では、他の鉄道事業者による営業肩代わりの道を模索したりしているようだが、"何が何でも路線を残そう"という熱意は、あまりないようにも見受けられる。 鉄道ファンの立場から言えば、古い地方軌道の面影を今に伝える"名鉄600V区間"は、大変貴重で興味深い存在ではあるけれど、鉄道は、ファンのために存在している訳ではない。 参考リンク |
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2004年6月27日 制作 2004年7月2日 修正