みなみ九州 蒸機とスイッチバックの旅

薩摩半島バスツアー


知覧・武家屋敷


"砂むし"に入る女性(指宿駅)


イモ焼酎原料の皮むき作業
(白露酒造観光工場)


長崎鼻から開聞岳を望む


鹿児島の繁華街


"とんしゃぶ"

定期観光バスツアー

 今日は一日、観光に充てることになっている。

 まず、指宿名物の"砂むし"を体験した。浴衣を着て仰向けに寝たところに地熱で暖められた砂をかけてもらう、指宿独特の"入浴"方法である。浴場にカメラを持ち込む訳にはいかないので、写真はない。その代わり、指宿駅で"砂むし"に入っていた女性(ただし、マネキン)の様子を撮影したので、参考にしていただきたい。

 指宿駅に戻り、A級観光地にしては少々ぼろっちい営業所から、鹿児島交通の定期観光バスに乗る。
 私は自由気ままな旅行が好きなので、パックツアーは願い下げだ。けれども、長い旅行中、1日くらいは"定観"に乗るのも悪くないと思っている。乗用車(タクシー)と違って視点が高いから、眺めがいいし、地元出身のバスガイドから、その土地の人しか知らない案内を聴けることもある。

 本サイトは鉄道旅行がテーマなので詳細は割愛するが、短い時間で観光ポイントを効率よく回れて、それなりに満足した。

 最初に訪れた焼酎工場では、試飲のあと、さかんに製品をPRする販売員なぞには見向きもせずに、工場の内外を見物した。原料のサツマイモ(皮が白いので、最初はそう見えなかった)が、地元のおばさん達の手によって皮を剥かれ、蒸し器に運ばれる様子が面白かった。

 長崎鼻では、民放キー局のテサスペンスドラマのロケ中であった。この種のドラマは、温泉&グルメを絡ませると視聴率が格段に上がるらしいから、被害者が砂むしに入るシーンやら、刑事が天文館でラーメンをすする様子なぞが登場するに違いない。

 昼食は、開聞町の唐船峡というところで、流しソーメンを食べさせられる。中華料理店を思わせる丸いテーブルの上に、アクリル製の水槽のようなものがあって、水流に乗ってグルグル流れるソーメンを箸ですくって食べる仕掛けだ。冬場に流しそうめんというのも奇異な感じだが、この妙なテーブルこそが元開聞町長が発明した特許品で、開聞町の観光開発に大きな功績があったのだという。元町長の銅像があった。

 休業中のレストハウスが目立つ池田湖を車窓から見たあと、今度は知覧の武家屋敷と特攻平和会館を見物。武家屋敷は見物時間が短か過ぎて庭園を観賞する余裕はなく、特攻平和会館は、特攻兵士の遺品が雑然と並べられているだけの印象が強かった。

 川辺町の磨崖仏を見たあと、定期観光バスは終着の西鹿児島駅を目指す。

 夕方のラッシュ時間帯を迎えた鹿児島市内は、渋滞が激しく、バスはなかなか進まないように思えた。ここ20年くらいの間に、各地でローカル線の廃止と引き換えに立派な道路ができた。けれども、都市中心部の道路事情は昔と変らないから、地方でも、東京や大阪と変らぬ交通渋滞が起こっている。
 大都会では、地下鉄などを利用すればそれでいいが、地方都市では、自動車以外に交通手段がないから、事態はある意味、深刻だ。ひたすら道路を造り続け現代日本の矛盾のひとつだとも思う。
 しかし、多少の渋滞は織り込み済みなのか、バスは定刻に西鹿児島駅に着いた。

 駅に隣接したJR系ビジネスホテルにチェックインしたあと、さっそく市電で天文館に向かった。

 地方都市の繁華街をうろつくのは、私のひそかな趣味である。
 規模の点では、歌舞伎町や道頓堀とは比較にならないけれど、ファーストフードや居酒屋から、郷土料理屋、バー、果ては少々いかがわしい風俗店まで、ひととおりのものがこぢんまりと揃っているところが特徴である。ざっと一周して雰囲気を掴んだら、ここぞという店に入る。

 この日は、名産の黒豚を使った『とんしゃぶ』の店に入った。薄くスライスされた豚肉を、スープで軽くゆがき、生卵につけて食べる。値段は安くはなかったけれど、肉に妙なくさみがなく、満足した。

 デザートに、『白熊』と称する一種のかき氷をたべ、ホテルに帰投した。 

続く

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2002年11月30日 制作 2002年7月19日 修正