|
■吉ケ原駅 津山から、吉井川に沿って20分ほど走ると、柵原町に着く。鉱山の灯が消え、ひっそりと静まりかえったかのように見える山あいの町である。 『柵原ふれあい鉱山公園』の標識に従って、県道を右折すると、赤いトンガリ屋根の建物が見えてくる。旧片上鉄道吉ケ原(きちがはら)駅本屋である。 現在は、その多くが取り壊されてしまったけれど、片上鉄道の一部駅舎は、このトンガリ屋根つき統一デザインであった。昭和初期に開業した鉱山鉄道にしては、特筆すべきお洒落さである。 吉ケ原駅は、旧片上鉄道の運転上の拠点で、車庫やヤードがあったところだ。鉄道廃止後、一帯が『柵原ふれあい鉱山公園』として整備されている。 出札窓口で200円の"1日会員証"を買い、さっそく"列車"に試乗することにした。 |
■キハ702--外観 ホームで私を待っていたのは、キハ702型気動車であった。 1936年、川崎車輌で鉄道省キハ075として製造。当初は機械式であったが、のちに液体式に改造され、1967年に片上鉄道にやってきた。 ヘッドライト等は一部改造されているけれど、6枚窓の半円形のマスクは、当時流行の"流線型"を今に伝えている。 |
■キハ702--車内 車内は、背ずりの低い固定クロスシートが並んでいる。照明は白熱灯。少し新しい扇風機が、よどんだ空気をかき回していた。 板張りの床下で、カラカラという音をたてているのは、DMH17C型ディーゼル機関。縦型エンジンなので、いくつもの点検ブタがある。 |
■キハ702--運転台 液体式に改造されているので、基本的な機器はJRの在来型気動車と変らない。客室との間の仕切りは、バスと同じような簡易なものなので、前方展望はバッチリである。 なお、フロントウインドウの向こうに見えるのは、これまた動態保存されているディーゼル機関車と客車。 |
Copyright (C) 2002 Heian Software Engineering
/ Allrights reserved
2002年9月2日制作 2002年9月16日訂補