最後のナロー 近鉄北勢線

 『軽便鉄道』の面影を求めて、最後のナロー・近鉄北勢線に撮影に出かけてきました。

 1977年同種の鉄道が次々と姿を消すなかで近代化を果たした北勢線は、大手私鉄の一路線として、永劫に安泰かと思われました。けれども、モータリゼーションの進行のなかで、旅客数は年々減少し、今年、近鉄本社は、ついに地元自治体に対して、路線廃止の方針を通告しました。(注:その後、近鉄北勢線は、2003年4月1日から三岐鉄道に移管された。大手私鉄の路線が系列外の鉄道会社に譲渡されるのは、極めて異例である。)

 北勢線沿線は、名古屋のベッドタウンとして、あちこちで宅地開発が進んでいます。したがって、沿線人口が減少しているという訳ではないのですが、新住民の"足"は何と言ってもマイカーで、のろくて不便な『軽便鉄道』を利用する人の姿はほとんど見かけません。時代に取り残された鉄道というのが、正直な印象です。

 前述の如く、沿線での開発自体は結構盛んなので、"枯れた"風景はなかなか見いだせません。
 それでも、列車数が半減する北大社以北では、『軽便鉄道』のイメージがぴったりの風景をあちこちで見ることができます。ゲージュツ的写真は大の不得意ですが、それでもちょっとは絵になる作品ができたので、北勢線の現状紹介を兼ねて皆さんに披露します。

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制作:2000年11月6日 最終修正:2004年7月1日