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■立山トロリーバス(立山黒部貫光・室堂〜大観峰)室堂からは、トロリーバスに乗って立山連峰の下をくぐり抜ける。 トロリーバスは、日本語で無軌条電車と言い、レールのない電車である。 さて、これから乗る立山トロリーバスは、1996年に再登場した新しい路線である。1971年のトンネル開通以来、ここでは通常のディーゼルバスが使用されてきたが、排気ガスの処理が問題となって、トロリーバスの導入となったそうだ。 改札口を通って、乗り場に向かう。駅は完全地下式の構造で、薄暗いホームで待ちかまえているのは、通常の路線バスそのものであった。ただ、エンジンがついていないからアイドリングの必要はなく、停車中は何の音もしない。 発車間際に運転士が乗り込んでくる。 発車ベルが鳴って、出発。3台のバスが一団となって動き出す。床下から、最新型の電車と同じVVVFサウンドが聞こえる。鉄輪とレールの音は聞こえない。聴覚的には、ゴムタイヤを使った札幌市の地下鉄と似ていると思った。室堂を出ると、トンネルはすぐに下り勾配になっている。抑速電気制動がついているようで、ういーんという制動音が響いてくる。 トンネル断面はバス1台がやっと通れる程度で、中間地点に待避所があり、対向車が待っていた。 約10分で室堂に到着。トロリーバスの後退は難しいから、ループを描いてUターンする仕組みである。ゆっくり写真を撮りたかったが、おおぜいの観光客に押し流されるようにロープウエイの乗り場に向かった。 ■立山ロープウエイ(立山黒部貫光・大観峰〜黒部平)大観峰からは、目前に北アルプスの山並みが、眼下には黒部湖の蒼い湖面が望める----はずであったが、ガスがたちこめて何も見えない。 同じトロリーバスに乗り合わせたツアー客は、ここで観光の予定だったらしく、ガイドが『残念ながら何も見えませんが、ここで予定通り20分の自由時間を取ります。』なぞと説明している。すべては計画通りにしか動けない団体の悲しさである。 その点、個人旅行の私は気ままなもので、景色が見えない大観峰には何の用もないから、さっさとロープウエイを待つ行列に並ぶ。 立山ロープウエイは、大観峰(標高2,316m)と黒部平(標高1,828m)の間を結ぶ全長1,710mの路線である。このロープウエイの特徴は、支柱が1本もないこと。つまり、1,710mがワンスパンとなっている。 ロープウエイ特有の、尻の穴が締まるような感触を感じながら、黒部平へと下った。 |
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2001年10月2日 制作
2001年10月3日 訂補