Motorola社のVISAR(ヴァイザー)は、つい最近まで日本でも販売されていた業務用無線機で、同社の業務機のエントリーモデルにあたる。
公式サイトでは、その用途として"Industrial, Education, Hospitality, Entertainment"等が挙げられている。我が国では、簡易無線機として使用される例が多いようだ。日本では、よほど公共性の高い用途でない限り、私企業が陸上移動業務で2波以上の割り当てを受けることは難しい。ジャンク屋の店頭で見かける中古業務機の大半が、チャネル切り替えができないタイプであるのは、このような理由による。しかし、広大な国土をもつ米国では、割と簡単に複数波の使用が許可されるらしい。米国製のVISARは、当然、その点を考慮した設計になっていて、日本の業務機では珍しいスキャン機能もついている。
もっとも、VISARは先進国向けの無線機だから、GP68やCP10のように、ユーザーが勝手に周波数を変更することはできない。あらかじめ免許された周波数(最大16波)をディーラーでプログラムして貰う必要がある。トーンスケルチやディジタルコードスケルチも完備しているが、これも単独でon/offするスイッチはない。このVISAR、最新型のアマチュア無線機であるVX-7と較べて、特に高感度であるという印象はない。実は、大方の予想に反して、業務用無線機は感度の点ではアマチュア機と同等か、むしろ劣ることすら珍しくないのである。
蚊の鳴くような微弱電波を捉え、思わぬDX局と交信することはアマチュア無線の醍醐味のひとつだが、業務用無線はあくまでも手段であるから、カスカスの電波でやっとこさ通話ができても、それは道具としてはまったく実用的でない。通常、業務用無線通信では、あらかじめ通話可能なサービスエリアを設定し、そのエリア内で常に明瞭な通話が確実に行えるように、出力や空中線系を設計するのが普通である。従って、極端に微弱な電波を受信する必要性は少ないのだ。では、業務機に要求される性能とは何であろうか。
それは、まず第一にどんなに手荒に扱っても壊れない耐久性と信頼性である。よく知られたことだが、Motorolaの耐久性・信頼性には神話に近い評価がある。じつは先日、誤ってVISARを約1mの高さからコンクリートの地面に落下させてしまったのだが、パネルにわずかな擦り傷がついただけで、あとは何事もなかったかのように使用できた。並のアマチュア無線機ならば木っ端微塵になっていたところで、冷や汗をかきながらも、その耐久性を実感した。
次に、ハンディ型の業務機の場合は、温度や湿度の変化に耐えること、防水性も重要な性能だろう。VISARの動作温度範囲は-30℃〜+60℃となっており、一般のアマチュア機よりかなり広い。ただし、VISARの防水性については、Motorolaの無線機の中では最低ランクなのだそうで、雨中で使うとあとで後悔するらしい。
また、強電界のもとでも確実に通信ができる耐妨害性も重要である。火事場を想像すればよいが、たとえば事件や事故の現場では、警察、消防、電気、ガス、マスコミ等、多くの業務用無線局が運用される。他の通信系の無線局が至近距離で発射する電波で自分の通信が出来なくなってしまっては、道具としては失格だ。従って、業務機は、不要な電波を徹底的に排除する回路が備わっているのが普通である。VISARは、70MHz近い広帯域設計だが、その耐妨害性はアマチュア向け広帯域受信機とは一線を画している。
更に、このVISARのようなエントリークラスの無線機では、誰でも使えるシンプルな操作系も重要だろう。VISARの基本的な操作は、ボリウムつまみとチャネル切り替えボタン(2個)、PTTボタンの4つで済んでしまう。これ以外に、通称"黒ボタン"と"青ボタン"という2つのスイッチがあるが、これはユーザーがその用途に応じて機能を割り当てる仕組みになっている。以上のような予備知識をもってVISARを見れば、アマチュア機とはまったく異なる業務機の魅力を見い出せると思う。
このページに示したVISARは、私が所有する16ch切り替え式のUHFモデル(H05RDH9AA7BN)である。430MHz帯アマチュアバンドの周波数のほかに、415MHz近辺のJR列車無線周波数3波を受信専用にプログラムしてあり、ワンタッチでこの3波のスキャンができるようになっている。目下、私のもっともお気に入りで、鉄道旅行の際には必ずお供をさせる無線機でもある。
なお、我が国で出回っているテンキーつきのVISARは、その大半がJSMRと呼ばれる800MHz帯仕様のものである。外見は酷似しているが、ここに掲げたUHF仕様のものとは、中身がまったく異なる。オークションに出品されているのをよく見かけるが、いかなる改造を施してもアマチュア無線機として使うことはできないので、注意されたい。
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■外観 今から10年近く前に発表されたモデルだが、その大きさは、最新鋭のアマチュア用ハンディ機(VX-7)とほぼ同じだ。 フロントパネルは、Motorolaお得意の強化プラスチック製で、手荒な扱いでも簡単には壊れない。 アンテナはもっとも基本的なホイップアンテナ。これ1本で403〜470MHzをカバーする。恐ろしく広帯域だが、いったいどういう仕掛けになっているのか、ちょっと興味が湧くところだ。 キーパッドはDTMF信号送信のためだけに用いられ、周波数の設定等はできない。喧騒の中で使用される業務機にふさわしく、低周波出力は500mWもある。(VX-7は200mW(@7.4V)) |
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■背面 無線機の背面は、放熱板を兼ねた金属部品が使われている。 また、よ〜く見ると、この面にネジは見えない。実は、フロントパネルになるプラスチック部品とは、ネジを使わずに嵌め込み方式で接合されているのだ。それでいて、ちょっとやそっとの衝撃ではバラバラにならない。このへんが、Motの、我が国のメーカーの追随を許さないところだと聞いた。 このVISARは、私のアマチュア局の正式な無線設備なので、その免許証票が貼ってある。国内で使われるVISARは少なくないが、アマチュア局として免許を取得したものはそう多くないであろう。 |
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■液晶パネル無線機の上部には、チャネルを示す小さなLCDがついている。青い三角マークがついた2つのボタンで、チャネルを選ぶ仕組みだ。 電源スイッチ兼用のAFボリウムがついているが、スケルチつまみはついていない。自動調整式となっている。 側面には、PTTボタンのほかに、"青"と"黒"の2つのボタンがついている。これらのボタンにどのような機能を与えるかは、あらかじめプログラムできるようになっている。 私のVISARは、"黒"がスケルチ開放、"青"が列車無線3波のスキャン開始である。 |
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■アンテナVISARのアンテナコネクタはSMAタイプ。ただし、無線機側がプラク、アンテナ側がジャックとなっていて、普通のアマ機とは逆。恐らく、業務機にふさわしい強度を確保するためだと思う。 |
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■外部スピーカーマイク純正外部スピーカーマイク(NMN6196A)を取り付けたところ。 本格業務機らしく、外部スピーカーマイクは、ロック付きの特殊コネクタで接続する。引っ張っただけでは外れない。 NMN6196Aは非常に小型で、業務用らしからぬ遊び心あふれるデザインが特徴。PTTスイッチがマイクの前面についている。けれども、少々遊びが過ぎたようで、正直言って使いにくい。 |
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■VISAR II日本では、1999年8月から販売されたVISARの最終モデル。ダークブルーの筐体がお洒落。いかにもそれっぽい(?)架空の呼出名称を貼り付けてみたら、なかなかサマになった。 150/400MHz帯の簡易無線は、長らく1波だけしか免許にならなかったが、1999年7月の無線設備規則の改訂で、150MHz帯は3波、400MHz帯は5波まで実装できることになった(現在は、150MHz帯:9波、400MHz帯:35波を実装可能)。VISAR IIは、それに対応した無線機である。 ここに示したVISAR IIは、400MHz帯複数波簡易無線機として、"C"で始まる検定番号を取得した機種。従って、発射可能な電波は、簡易無線用に割り当てられた35波のうち5波だけで、規則にのっとってATIS番号も表示されている。封印も剥されていないから、このまま簡易無線局の免許取得も可能である。 ところで、このVISAR II、日本語の銘板ステッカーの下に、何やら英文の表示が隠れていることにお気づきになったであろうか。 実は、日本で販売されたVISAR IIは、403〜470MHz対応のVISARそのものなのである。 VISAR IIは、その販売開始からほぼ5年が経過した。 なお、VISARシリーズについては、JSMR仕様のものが昨年(2004年)まで販売されていたため、バッテリやケースなどのオプション品は、現在でも新品を容易に入手可能である。 |
国産の400MHz帯一般業務用無線機は、20MHz程度の帯域のものが多い。同一型番のモデルであっても、送受信可能な周波数が異なるのである。我が国の周波数割り当ての関係(415MHz近辺の一般業務無線と450〜470MHzのタクシー/防災無線/簡易無線)もあると思われるが、米国製のVISARは、1台で両者をあわせてカバーする70MHz近い帯域を持っている。そのおかげで、430〜440MHzのアマチュアバンドも、規格の範囲に入る。"業務機を使ってみたい"アマチュア無線家には、格好の無線機と言えるであろう。
General
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Power Supply | Ni-MH Battery or Li-ion Battery |
Battery Voltage | 7.5V(Norminal), 6〜9V(Range) |
Battery Drain(Typ.) | 60mA(Standby), 180mA(Receive), 1800mA(Transmit 4W), 1000mA(Transmit 1W) |
Temperature Range | -30℃〜+60℃(Operating), -40℃〜+85℃(Strage) |
Dimensions(H×W×D, Less Battery) | 10.28cm×5.52cm×1.70cm |
Weight(with Helical Antenna, Less Battery) | 167g |
Receiver
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Frequency Range | 403〜470MHz |
Bandwidth | 70MHz |
Quieting Sensitivity(20dBQ) | 0.5μV Max |
Usable Sensitivity(12dB SINAD) | 0.35μV Max |
Intermodulation | -70dB |
Selectivity(30KHz Adjacent Channel) | -70dB |
Spurious Rejection(450〜512MHz) | -70dB |
Frequency Stability(-30℃〜+60℃, +25℃ reference) | ±0.0005% |
Rated Audio | 500mW |
Distortion(At Rated Audio) | 3% Typ. |
Channel Spacing | 25KHz |
Transmitter
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RF Power | 1W/4W |
Frequency Range | 403〜470MHz |
Emission | -66dBw |
Distortion | 3% Typ. |
Modulation Limiting | ±5KHz |
ネットオークションでしばしば見かけるVISARだが、外見上、VHF仕様/UHF仕様/800MHz帯仕様の判別は困難である。前述したように、800MHz帯仕様のVISAR(VISAR800)は、アマチュア無線機への転用が不可能なため、オークションでVISARを入手しようとお考えの方は、細心の注意を払わねばならない。
もっとも確実にVISARの仕様(種類)を判別するには、背面にある銘板を確かめるのがよい。
今は制度が変わったが、VISARが日本で販売されていた当時は、業務用無線機は(原則として)郵政大臣が行う形式検定にパスしなければならなかった。
この形式検定に合格すると、検定番号と型式名が与えられる。無論、国内で販売されたVISARにもこの検定番号と型式名がついており、銘板に明記されている。
総務省の電波利用ホームページでは、形式検定に合格した機器を検索できる。そこで、その中から、VISARと思われるものをpick upした。
合格年月日 | 検定番号 | 機器名称 | 型式名 | 備考 |
1993年8月26日 | MC93016 | JJH05VCD4CG4AN | MDS2MJ900-2.5F1D・F2D・F3E2234-2 | 800MHz帯 JSMR |
1996年2月15日 | F96013 | JJH05KDD6AA4AD | FS2MJ150-1〜5F2B・F2D・F3E16-1 | 150MHz帯一般業務無線仕様(16ch) |
1996年2月15日 | F96014 | JJH05RDD4AA4AD | FS2MJ403/470-1〜4F2B・F2D・F3E16-1 | 400MHz帯一般業務無線仕様(16ch) |
1996年2月15日 | C96005 | JJH05KDC6AA4AD | CS1MJ150-1〜5F3E1-1 | 150MHz帯簡易無線仕様(1ch) |
1996年2月15日 | C96006 | JJH05RDC4AA4AD | CS1MJ400-1〜4F3E1-1 | 400MHz帯簡易無線仕様(1ch) |
1997年8月22日 | F97041 | SLH05KDH9AA7BN型 150MHz/FM無線電話装置 |
FS2SL150-1〜5F2B・F2D・F3E16-1 | 150MHz帯一般業務無線仕様(16ch) |
1999年3月19日 | C99005 | JJH05KDD6AA4ADC | CS1MJ150-1/5F3E1-1 | 150MHz帯簡易無線仕様(1ch) |
1999年3月19日 | C99006 | JJH05RDD4AA4ADC | CS1MJ400-1/4F3E1-1 | 400MHz帯簡易無線仕様(1ch) |
1999年7月8日 | C99057 | JJH05KDD6AA4ADM | CS1MJ150-1/5F3E3-1 | 150MHz帯簡易無線仕様(3ch) |
1999年7月8日 | C99059 | JJH05RDD4AA4ADM | CS1MJ400-1/4F3E5-1 | 400MHz帯簡易無線仕様(5ch) |
基本的に、一般業務仕様/簡易無線仕様を問わず、150MHz帯のものは144MHz帯、400MHz帯のものは430MHz帯のアマチュアバンドの周波数を設定できる。800MHz帯仕様のものは、アマチュア無線機への流用は不可能である。
1ch簡易無線仕様のものは、チャネル切り換えボタンと液晶表示がない。チャネル選択ができないから当然と言えば当然だが、アマチュア無線機として使う場合もあらかじめ設定した1波でしか運用できないので、やや実用性に欠ける。
1999年7月8日付で合格している簡易無線仕様機はVISAR IIで、表向きは3ch(VHF)/5ch(UHF)しか周波数を設定できないことになっているが、実際には16chの書込みが可能だ。
1997年8月22日付で合格している『SLH05KDH9AA7BN型150MHz/FM無線電話装置』、これは150MHz帯のVISARそのものなのだが、札幌に本拠を置く業務用無線機販売会社が、米国Motorolaと直接取り引きし、かつ、正式に検定に合格させてしまった非常に珍しい事例のようだ。(参考:サンエレクトロン株式会社, MOTOROLA VISAR)
Motorola Incの日本法人である日本モトローラ(株)(1998年にモトローラ(株)に社名変更)がこれにどう対処したのか、大変興味があるが、サンエレクトロン(株)による検定合格機はこれ1機種のみとなっているから、どうやらあとが続かなかったようである。
以上が日本国内で正式に販売されたVISARだが、このほか、アマチュアが海外で買い付けた主として米国仕様のVISARがオークションに出品されることがある。
米国仕様のVISARのモデル名による鑑別方法は、つぎのとおり。
Model | Description |
Conventional Systems Radios | |
H05KDD9AA4BN | 16-Frequency, 2-Character Top Display, 5- to 1-Watt, 136 - 178MHz |
H05KDH9AA7BN | 16-Frequency, 2-Character Top Display, 5- to 1-Watt, 136 - 178MHz, 3 x 4 Keypad |
H05RDD9AA4BN | 16-Frequency, 2-Character Top Display, 4- to 1-Watt, 403 - 470MHz |
H05RDH9AA7BN | 16-Frequency, 2-Character Top Display, 4- to 1-Watt, 403 - 470MHz, 3 x 4 Keypad |
H05SDD9AA4BN | 16-Frequency, 2-Character Top Display, 4- to 1-Watt, 450 - 520MHz |
H05SDH9AA7BN | 16-Frequency, 2-Character Top Display, 4- to 1-Watt, 450 - 520MHz, 3 x 4 Keypad |
H05UCD6AA4BN | 16-Frequency, 2-Character Top Display, 3- to 1-Watt, 806 - 870MHz |
H05UCH6AA7BN | 16-Frequency, 2-Character Top Display, 3- to 1-Watt, 806 - 870MHz, 3 x 4 Keypad |
Privacy Plus Systems Radios | |
H05UCD6CB1BN | 4 Systems, 4 Talkgroups, 2 Character Top Display, 3-Watt, 806-870MHz |
H05UCH6DB7AN | 4 Systems, 4 Talkgroups, 2 Character Top Display, 3-Watt, 806-870MHz, 3 x 4 Keypad |
Type II System Radios | |
H05UCD6CF1BN | 4 Systems, 4 Talkgroups, 2 Character Top Display, 3-Watt, 806-866MHz |
H05WCD4CB1BN | 4 Systems, 4 Talkgroups, 2 Character Top Display, 3-Watt, 896-902MHz |
Conventional Systemは、ユーザー自身が周波数を設定するものである。それ以外のモデルは、日本のMCAやJSMRのように、親局(基地局)が通話の都度、周波数を自動的に割り当てるシステムだ。
我が国の800MHz帯は、地域防災無線やパーソナル無線を含めて、通話の都度、空き周波数が自動的に選択されるMCA方式が原則だが、米国では、ユーザー自身が周波数を設定する方式も認可されているらしい。日本では、一部のパーソナル無線でユーザー自身が周波数を設定する方式のようだが、もちろんこれは脱法行為である。
さて、ここに掲げたVISARのうち、アマチュア無線機として容易に転用が可能なのは、136〜178MHz対応モデルと403〜470MHz対応モデルである。450〜520MHz対応モデルに430MHz帯アマチュアバンドの周波数を設定することも不可能ではないらしいが、初心者は敬遠するのが賢明だ。
ところで、ここまでこの文書を読んで来られた方には、Motorolaの型番付与のルールがある程度おわかりになったのではないかと思う。
Model名(機器名称)のうち、"H05"がVISARを示している。その次のアルファベット1文字が、対応する周波数帯である。すなわち、"K"はVHF(136〜178MHz)、"R"はUHF(403〜470MHz)、"S"はUHF(450〜520MHz)というわけだ。"U"・"V"・"W"は、800〜900MHz付近の周波数に対応したモデルである。
米国仕様のModel名の末尾2文字のうち、"B"(または"A")は、バージョン名を示している。最終的に"D"バージョンまでが販売されたことが知られているが、"A"バージョンから"B"バージョンに変わる際にかなり大幅な設計変更が行われたときくので注意したほうがいいだろう。
このほかに、銘板のないVISARが出品されることもある。
国内で正規に販売・使用された無線機が、機材の更新などに伴って廃棄処分になったものの、スクラップにされる前に"横流し"されたものが主である。出自が明らかになっては困るので、製造番号などが記された銘板は剥されてしまうことが多い。さらに、複数のジャンクVISARから使えるパーツを寄せ集め、1台のVISARに仕立て上げたものもあるようだ。
"銘板なし機"は、多くの場合、出品者が規格の詳細を知っているので、入札前に直接確認するとよい。
検定番号や製造番号が書かれた銘板がないと業務用無線局の無線設備としては使えない(免許がおりない)が、アマチュア局の無線設備としては何ら問題はない。
VISARの回路は、終段トランジスタを含めて大半がカスタムチップで構成されている。送信機系統図の作成に難渋したが、TSSとの数回のやりとりののち、何とか保証認定をいただいた。詳細をお知りになりたい場合は、私まで連絡をいただきたい。
注 意ここに記載された情報は、私が独自に収集したものです。内容の正確性については保証しません。あなたの自己責任でご利用ください。 |
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警 告この無線機を使用する場合、総務大臣の免許が必要です。アマチュア無線機として使用する場合は、自作無線機としてTSSの保証を受ける必要があります。 |
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2003年8月5日 制作 2005年9月5日 修正