業務用の無線電話のうち、一定範囲内の帯域に複数のチャネルをもつものを挙げてみました。
ユーザーが任意のチャネルを選択して使うものと、通話毎にシステムが通話チャネルを自動的に割り当てるものとがあります。後者の場合、同じ局であっても、使用する周波数は一定ではありません。
■JR Bタイプ列車無線
基地局:352.5375〜352.6250MHz(12.5KHz間隔・8波)
移動局:336.0375〜336.1250MHz(12.5KHz間隔・8波)
※送受信周波数間隔:16.5MHz
■JR及び地方鉄道構内入換無線
365.1750〜365.3125MHz(12.5KHz間隔・12波)
■本州四国連絡橋公団
基地局:357.3500〜357.375MHz(12.5KHz間隔・3波)
移動局:340.8500〜340.875MHz(12.5KHz間隔・3波)
※送受信周波数間隔:16.5MHz
■国土交通省移動無線電話
基地局:395.5750〜395.7750MHz(12.5KHz間隔・17波)
移動局:371.4750〜371.6750MHz(12.5KHz間隔・17波)
※送受信周波数間隔:24.1MHz
■地域防災無線
単信1:846.2500〜847.1750MHz
単信2:848.8250〜849.7500MHz
複信基地局:847.2000〜848.8000MHz
複信移動局:901.2000〜902.8000MHz
※送受信周波数間隔:54MHz
■小エリア簡易無線
348.5625〜348.8000MHz(12.5KHz間隔・20波, 348.7875及び348.8000MHzはデータ専用)
※空中線電力:1W, 外部アンテナは禁止。
■プレジャーボート用船舶無線
357.4125〜357.4500MHz(12.5KHz間隔・4波)
■地域振興用陸上移動無線
基地局:385.4500〜385.7375MHz(12.5KHz間隔・24波)
移動局:367.4500〜367.7375MHz(12.5KHz間隔・24波)
※送受信周波数間隔:18MHz
※1システム4波
■一般簡易無線
144.45〜154.61MHz(20KHz間隔・9波)
465.0375〜465.1735MHz(12.5KHz間隔・10波)
468.5500〜468.8500MHz(12.5KHz間隔・25波)
■パーソナル無線
903.0125MHz(制御用)
903.0375〜904.9875MHz(12.5KHz間隔・158波)
無線局を開設する場合は原則として総務大臣の免許が必要だが、空中線電力が10mW以下で、省令で定められた機能をもち、かつ、技術基準適合証明を受けた無線設備だけを使用する無線局は、誰でも自由に開設・使用することができる。60/76GHz帯のミリ波レーダーや10/24GHz帯の移動体検知センサーなどもこの仲間に入るそうだが、とりあえず、普通のワイドバンドレシーバで聞こえると思われるものを挙げてみた。
■特定小電力アナログコードレス
親機:380.2125〜381.3125MHz(12.5KHz間隔・89波, 380.7750及び381.3125MHzは制御用)
子機:253.8625〜254.9625MHz(12.5KHz間隔・89波, 254.4250及び254.9625MHzは制御用)
※送受信周波数間隔:126.35MHz
■特定小電力無線電話(複信・業務用-I)
421.5750〜421.8000(12.5KHz間隔・19波, 421.8000MHzは制御用)
440.0250〜440.2500(12.5KHz間隔・19波, 440.2500MHzは制御用)
※送受信周波数間隔:18.45MHz
■特定小電力無線電話(複信・レジャー用)
421.8125〜421.9125MHz(12.5KHz間隔・9波)
440.2625〜440.3625MHz(12.5KHz間隔・9波)
※送受信周波数間隔:18.45MHz
■特定小電力無線電話(単信・業務用)
422.0500〜422.1875MHz(12.5KHz間隔・12波, 422.1875MHzは制御用)
■特定小電力無線電話(単信・レジャー用)
422.2000〜422.3000MHz(12.5KHz間隔・9波)
■特定小電力無線電話(複信・業務用-II)
413.70000〜414.14375(6.25KHz間隔・72波)
454.05000〜454.19375(6.25KHz間隔・72波)
※送受信周波数間隔:40.35MHz, 空中線電力1mW以下。
■特定小電力医療用テレメータ
病院などで患者さんの心拍や呼吸の状態を監視するために用いられる無線機器であり、特定小電力無線として制度化されている。一般的な伝送方式はアナログFMのようで、通常の狭帯域FM受信機で受信してみると、『ひゅー』という音が聞こえる。
医療という人命に直接かかわる用途に使用されるため、他の特定小電力無線と違って、キャリアセンス(他局が通信中は電波を発射しない機構)は義務づけられておらず、また、連続送信もしていいことになっている。そのため、病院ではあらかじめ周波数の使用計画を作成し、混信が起きないようにしている。(実際には、メーカー任せが現実。周波数を知ってる関係者なんか、誰もいない!!)
昭和が終わる頃、マスコミ各社は、お堀の外から宮内庁病院にアンテナを向け、この種の微弱な電波を必死になって受信しようとしたという話が伝わっている。(ただし、特定小電力医療用テレメータが一般化したのは平成に入ってからで、以前は130MHz近辺もしくは240MHz近辺の微弱電波を利用したものが多かった。)
●占有周波数帯幅が8.5KHz以下(A型)
420.0500〜421.0375MHz(12.5KHz間隔)
424.4875〜425.9750MHz(12.5KHz間隔)
429.2500〜429.7375MHz(12.5KHz間隔)
440.5625〜441.5500MHz(12.5KHz間隔)
444.5125〜445.5000MHz(12.5KHz間隔)
448.6750〜449.6625MHz(12.5KHz間隔) 以上合計480波
使用周波数の具体例はこちら。
●占有周波数帯幅8.5KHzを超え16KHz以下(B型)
420.0625〜421.0125MHz(25KHz間隔)
424.5000〜425.9500MHz(25KHz間隔)
429.2625〜429.7125MHz(25KHz間隔)
440.5750〜441.5250MHz(25KHz間隔)
444.5250〜445.4750MHz(25KHz間隔)
448.6875〜449.6375MHz(25KHz間隔) 以上合計234波
●占有周波数帯幅16KHzを超え32KHz以下(C型)
420.0750〜420.9750MHz(50KHz間隔)
424.5125〜425.9125MHz(50KHz間隔)
429.2750〜429.6750MHz(50KHz間隔)
440.5875〜441.4875MHz(50KHz間隔)
444.5375〜445.4375MHz(50KHz間隔)
448.7000〜449.6000MHz(50KHz間隔) 以上合計114波
●占有周波数帯幅32KHzを超え64KHz以下(D型)
420.1000〜420.9000MHz(100KHz間隔)
424.5375〜425.8375MHz(100KHz間隔)
429.3000〜429.6000MHz(100KHz間隔)
440.6125〜441.4125MHz(100KHz間隔)
444.5625〜445.3625MHz(100KHz間隔)
448.7250〜449.5250MHz(100KHz間隔) 以上合計54波
●占有周波数帯幅64KHzを超え320KHz以下(E型)
420.3000 420.8000 424.7375 425.2375 425.7375 429.5000 440.8125
441.3125 444.7625 445.2625 448.9250 449.4250MHz 以上12波
■テレメータ・テレコントロール・データ伝送用特定小電力無線
飲食店で、ホール係が持っているアノ端末で使われている無線。固定チャネル方式のものとMCA方式のものがあるようだ。医療用テレメータ同様、占有周波数帯幅が異なるシステムが同じバンドを共有している。
●占有周波数帯幅が8.5KHz以下
426.0250〜426.1375MHz(12.5KHz間隔・10波)
429.1750〜429.7375MHz(12.5KHz間隔・46波)
429.8125〜429.9250MHz及び449.7125〜429.8250MHz(12.5KHz間隔・10組20波, 429.9250MHz及び429.8250MHzは制御用,
送受信周波数間隔:19.9MHz)
449.8375〜449.8875MHz及び469.4375〜469.4875MHz(12.5KHz間隔・5組10波, 449.8875MHz及び469.4875MHzは制御用,
送受信周波数間隔:19.6MHz)
●占有周波数帯幅8.5KHzを超え16KHz以下
426.0375〜426.1125MHz(25KHz間隔・4波)
●占有周波数帯幅16KHz以下
1216.0125〜1216.9875MHz及び1252.0125〜1252.9875MHz(25KHz間隔・40組80波,
1216.0125MHz, 1216.5125MHz, 1252.0125MHz, 1252.5125MHzは制御用, 送受信周波数間隔:36MHz)
●占有周波数帯幅32KHz以下
1216.0000〜1217.0000MHz及び1252.0000〜1253.0000MHz(50KHz間隔・21組42波,
1216.0000MHz及び1252.0000MHzは制御用, 送受信周波数間隔:36MHz)
■FRS(Family
Radio Service)
我が国のレジャー用特定小電力無線電話に相当する米国(FCC)の制度。400MHz帯に14のチャネルが準備されており、誰でも免許不要で利用できる。きわめて安価な上に出力が500mWもあるため(我が国の特定小電力は10mW)、『3.2Kmトランシーバ』などと称して国内にも相当数の無線機が出まわりつつあるようだ。無論、日本国内での使用は電波法違反である。
CH | 周波数(MHz) |
1 | 462.5625 |
2 | 462.5875 |
3 | 462.6125 |
4 | 462.6375 |
5 | 462.6625 |
6 | 462.6875 |
7 | 462.7125 |
8 | 467.5625 |
9 | 467.5875 |
10 | 467.6125 |
11 | 467.6375 |
12 | 467.6625 |
13 | 467.6875 |
14 | 467.7125 |
周波数帳2002(三才ブックス)によれば、我が国では、462.6MHz付近はNHKの番組中継用、467.6MHz付近は船舶無線(船上通信用)の割り当てとなっている。かつて、国内に大量に出回った違法CB(米国仕様の無線機)のような問題に発展しなければいいが....。
■特定ラジオマイクA2規格(→主としてプロ用・無線局免許が必要)
779.1250〜787.8750MHz(125KHz間隔・36波)
■特定ラジオマイクA規格(→主としてプロ用・無線局免許が必要)
797.1250〜805.8750MHz(125KHz間隔・71波)
■特定小電力ワイヤレスマイクB規格(→主として劇場・ホール用・免許不要)
806.1250〜809.7500MHz(125KHz間隔・30波)
■特定小電力ワイヤレスマイクC規格(→アナウンス等の汎用・免許不要)
322.0250〜322.4000MHz(25KHz間隔・13波, 但し322.175〜322.225MHzを除く)
■ワイヤレスマイク
74.5800〜74.7600MHz(60KHz間隔・4波)
※B規格・C規格及び60MHz帯のワイヤレスマイクは、特定小電力無線。
警 告電波法の規定により、特定の相手方との通信を受信して、その存在もしくは内容を漏らすことは禁じられています。 |
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(C)Heian Software Engineering
2000.10.26 制作
2004.4.8 訂補