栃尾温泉　荒神の湯

　平湯温泉から国道471号線を下っていくと、赤いローゼ橋の先で十字路につきあたる。

　ここが奥飛騨温泉郷のひとつ、栃尾温泉である。小さな温泉民宿が何軒がある程度の鄙びた集落だが、そこにある公衆露天浴場がすばらしい。

　前日の宿である白骨温泉から、安房トンネルを越えて訪問したが、目立つ看板がなかったので、"発見"までに少々時間を要した。目指すは、前述の交差点(栃尾交差点)から、新穂高温泉方面に数百メートル行ったところの道路右側である。

　広い駐車場の先を少し入ったところに、木造の脱衣小屋が建っている。管理人は常駐せず、利用者が自主的に料金を払う、賽銭箱方式。小屋には、しっかりした扉と目隠し塀があるから、女性でも安心だ。

　巨岩を組んだ、大きな浴槽が2つあり、いっぽうに、クセのないなめらかなお湯が掛け流しになっている。寒い日であったが、快適な湯温が保たれていて、浴槽のぬめりもない。この種の無人露天風呂としては、極めて秀逸な管理状況と評価する。

　雪景色を眺めながら、爽快な入浴を楽しめた。

　お勧めの一湯だが、その快適さゆえに、観光シーズンにはかなり混み合うのではなかろうかと思う。

お気に 入り指数:★★★★★☆