市比野温泉 下之湯公衆浴場(樋脇総合休養会館)

 鹿児島県の西北部を地元では北薩と呼ぶらしい。
 薩摩川内、阿久根、出水、伊佐の各市とさつま町、長島町からなる地域だが、著名な観光資源は乏しく、ガイドブックを買っても、せいぜい出水のツル渡来地のことが書かれている程度である。

 従って、この地域が旅行者の注目を浴びることはほとんどない。かく言う私も、今回、ネットで調べてはじめて、そこが霧島や指宿にもひけを取らない、温泉の密集地であると知った。

 市比野温泉は、薩摩川内市街地から10Kmほど山あいに入った場所にある温泉地。市比野川と城後川の合流部付近にあるささやかな市街地の中に、共同浴場を出自とする2か所の市営公衆浴場と数軒の民営浴場がある。初訪問にあたる今回は、市営の下之湯公衆浴場に入ってみることにした。

 市比野川左岸に連なる市街地のもっとも下流側に、鉄筋二階建ての建物があった。建物脇の駐車場から見ると、市比野川の対岸に小さな小屋があって、アーチ状のパイプがこちらに渡されている。源泉のひとつなのかも知れない。

 玄関を入り、階段を降りた位置にある浴室には、タイル張りの浴槽がひとつ。浴槽は2つに仕切られているが、湯口側はごく狭く、浴槽なのか、湯溜めなのかは良く分からない。
 滔々とかけ流されるのは、無色透明無味無臭のアルカリ性単純温泉。肌にはっきりとぬめりを感じる、極上のお湯である。

 鹿児島の温泉は、個性の強い火山性のものが多い。活火山のない関西の温泉ファンからすると、それが鹿児島の温泉の最大の魅力ではあるのだが、逆にこういう穏やかな湯につかると、なぜかほっとした気分になるのが不思議ではある。

 やや熱めのお湯に身を委ね、ゆったりした湯浴みを楽しめた。

 畳敷きの休養室もあるので、自販機の飲み物で喉を潤しながら、湯上りのひと時をゆったり過ごすことができる。

お気に入り指数:★★★★☆

施設DATA
温泉名 市比野温泉
施設名 下之湯公衆浴場(樋脇総合休養会館)
施設の種別 日帰り入浴施設
所在地 〒895-1203 鹿児島県薩摩川内市樋脇町市比野2576-1(→地図)
電話番号 0996-38-1771
参考サイト 薩摩川内 観光物産ガイド
営業時間 06:00〜22:00(最終受付 21:40、元旦および毎月第3火曜日定休)
料金 大人(中学生以上):150円、小人:80円(2013年11月現在)
無料の備品 鍵つきロッカー
浴場施設 内湯
駐車 可能
入浴日 2013年11月23日
備考 <0402>

温泉DATA
源泉名 市比野温泉(湧出地:鹿児島県薩摩川内市樋脇町市比野2559番地の2, 4603, 2474-5, 4554-2, 4761-2))
泉質 アルカリ性単純温泉[低張性-アルカリ性-高温泉]
泉温 46.8℃(気温:18℃)
利用量 測定不能
知覚的試験 無色透明 無味 無臭
pH値 8.8
ラドン 1.1×10-10キュリー
密度 0.9982g/cm3(20℃/4℃)
蒸発残留物 0.1503g/Kg(110℃)
溶存物質総計(ガス性のものを除く) 0.1856g/Kg
分析年月日 2013年4月30日
情報源 脱衣場の掲示(温泉分析書のコピー)
1Kg中の成分

  
陽イオン mg
ナトリウムイオン 41.1
カリウムイオン 0.5
カルシウムイオン 1.6
アルミニウムイオン 0.1
陽イオン合計 43.3
陰イオン mg
フッ化物イオン 1.1
塩化物イオン 13.0
硝酸イオン 0.1
水酸化物イオン 0.1
硫酸イオン 12.6
炭酸水素イオン 41.0
炭酸イオン 26.4
陰イオン合計 94.3

非解離成分 mg
メタケイ酸 47.6
メタホウ酸 0.4
非解離成分合計 48.0
溶存ガス成分 mg
遊離二酸化炭素 0.1
溶存ガス成分合計 0.1

 



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制作:2015年03月17日 修正:2015年03月17日