指宿温泉 砂むし会館 砂楽


砂蒸し


特製黒豚ラーメン

 1960年代、新婚旅行のメッカとして名を馳せた指宿。摺ガ浜の温泉街には、いまも昭和の香りがプンプン匂う旅館ビルが軒を連ねている。すでに廃業したとみられる施設も少なくないが、そのなかで、近未来的な威容を誇るのが、1996年に改築された公営温浴施設 砂むし会館砂楽である。

 エスカレーターで上った先の2階が玄関兼フロント。砂蒸し用の浴衣を受け取り、1階のロッカー室へ。サンダルに履き替えて海岸に出ると、砂浜からうっすら湯気が立ち上っている。

 砂蒸しは、地下から湧き出す温泉で熱せられた砂に埋もれて身体を暖める、この地方特有の温浴方法だ。
 砂重により手足や腹腔からの静脈還流を大きく高めるため(中略)、著名な心拍出量の増加と温熱効果による末梢血管抵抗の低下を認め、腰痛、神経痛、関節痛などに高い効果を示す(田中信行ら:温泉環境と健康. 臨床環境3:71〜74,1994)らしいのだが、実際に体験してみると、そんな理屈はどーでも良くなるくらいに気持ちが良い。カメラを持参すると、記念写真を撮ってくれるので、これから行かれる方はお忘れなきように。

 砂蒸しからあがったあとは、砂だらけになった浴衣を脱ぎ、砂を洗い落として、屋内の浴槽で入浴となる。最近改築された施設だけあって、お客の動線を考えた合理的な造りだ。持参したカメラが濡れないように、ビニール袋に入れてくれる心遣いには感心した。

 こちらは、かなり濃い食塩泉で、口に含むとしっかりとした塩味を感じた。サウナな水風呂もある。

 風呂上りには、広いロビーでゆっくりくつろげる。

 螺旋階段を上がった3階には、安楽椅子が並んだ無料の休憩室や軽食コーナーがある。"特製黒豚ラーメン"を注文したが、あっさりした中にもコクがあるトンコツスープが旨かった。屋上からは、錦江湾を一望できる。 

お気に入り指数:★★★★☆

施設DATA
温泉名 指宿温泉
施設名 砂むし会館 砂楽
施設の種別 日帰り入浴施設
所在地 〒891-0406 鹿児島県指宿市湯の浜五丁目25番18号(→地図)
電話番号 0993-23-3900
公式・参考サイト 砂むし温泉「砂楽」
指宿市観光協会
営業時間 08:30〜21:00(無休)
料金 大人:600円[900円]、小人:300円[500円]
※ [ ]内は、砂蒸し(浴衣使用料込み)を含めた料金(2013年11月現在)。
無料の備品 ボディーソープ・シャンプー・鍵つきロッカー・ドライヤー
浴場施設 内湯
駐車 可能(90台)
入浴日 2013年11月22日
備考 <0400>

温泉DATA
源泉名 摺ケ浜50号(湧出地:指宿市陽の浜5丁目3727-1)
泉質 ナトリウム-塩化物泉[高張性-中性-高温泉]
泉温 80℃(気温:23℃)
湧出量 L/min 吸上ポンプ
知覚的試験 無色透明 食塩味 無臭
pH値 6.8
ラドン 0.5×10-10キュリー
密度 1.010g/cm3(20℃)
蒸発残留物 13.98g/Kg(130℃)
溶存物質総計(ガス性のものを除く) 13.340g/Kg
分析年月日 2011年5月30日
情報源 脱衣場の掲示(温泉分析書のコピー)
1Kg中の成分

  
陽イオン mg
リチウムイオン 1.5
ナトリウムイオン 3988
カリウムイオン 285.1
アンモニウムイオン 2.0
マグネシウムイオン 168.0
カルシウムイオン 619.5
ストロンチウムイオン 3.5
マンガンイオン 0.5
第一鉄イオン 0.2
陽イオン合計 5068
陰イオン mg
フッ化物イオン 0.7
塩化物イオン 7408
臭化物イオン 24.0
硫酸イオン 517.4
炭酸水素イオン 120.8
炭酸イオン 0.1
陰イオン合計 8071

非解離成分 mg
メタケイ酸 176.2
メタホウ酸 24.3
メタ亜ヒ酸 0.1
非解離成分合計 200.6
溶存ガス成分 mg
遊離二酸化炭素 44.8
溶存ガス成分合計 44.8

 



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制作:2015年03月17日 修正:2015年03月17日