別府温泉 竹瓦温泉

 おそらくは、道後温泉本館とも肩を並べる、この国の温泉文化を象徴する施設であろう。

 荘厳な唐破風をもつ木造建物(1938年築)は、のべ床面積約711m2の壮大なもの。登録有形文化財に指定されている。建築当時は入浴客が爆発的に増え、建物の見学者までつめかけたのだという。
 2階は大広間(非公開)で、かつては入浴客の休憩室として使われた。高い天井の広いロビーに、当時の別府温泉の地位を垣間見る思いがする。

 建物の東側に男女の浴場、西側に砂湯(別料金)がある。後者は指宿の『砂蒸し』同様、身体に熱した砂をかけるものだが、時間の都合で体験できなかった。次回にぜひ試したいと思っている。

 お目当ての温泉浴場は、脱衣場と浴室を仕切る壁がなく、かつ、脱衣場から一段下の浴槽を見おろす古典的な形式。
 U字型のコンクリート浴槽に注がれるのは、灰緑色の含土類食塩泉で、身体が芯から温まる感じのお湯である。
 竹瓦温泉では、贅沢にも、男湯と女湯は別々の専用源泉のお湯を使っている。本レポートは男湯のものだが、女湯のお湯はいったいどんなだろう。分析書を見る限り、もう少し色の薄い、なめらかな感触のお湯だと想像する。
 温泉ファンとしては是非両者の入り較べをしたいところなのだが...。

 ロビーには畳敷きの小上がり席もあって、自販機の飲み物で喉を潤し、湯上りのひとときを過ごすことができる。

 かような特徴的な施設ゆえ、海外からの訪問者も少なくないようである。市営とは言え、入浴料100円は驚異的に安い。

 かつての道後温泉同様、周囲には呑み屋や少々いかがわしい風俗店が密集している。個人的にはこういう猥雑な雰囲気が大好きだし、我が国最初の木造アーケード(竹瓦小路アーケード 1921年)など見どころも少なくないが、総じて既に廃業した店舗が目につき、あまり元気がない。

 今後、健全かつ健康的な"よいこの温泉地"として発展するには、その整理も課題になるのではないか。

 お気に入り指数:★★★★★

施設DATA
温泉名 別府温泉
施設名 竹瓦温泉(たけがわらおんせん)
施設の種別 日帰り入浴施設
所在地 大分県別府市元町16-23(→地図)
電話番号 0977-23-1585
公式サイト 別府市の温泉(別府市ウェブサイト)
営業時間 06:30〜22:30(12月の第3水曜日定休)
料金 大人:100円
無料の備品 (とくになし)
※有料ドライヤーあり。
浴場施設 内湯、砂湯
駐車 可能(周辺の民営有料駐車場)
入浴日 2013年6月30日
備考 <0399>

温泉DATA (男湯)
源泉名 竹瓦温泉(男湯)(湧出地:大分県別府市元町589-2)
泉質 ナトリウム・カルシウム・マグネシウム-塩化物・炭酸水素塩泉[低張性-中性-高温泉]
泉温 53.8℃(気温:11.0℃)
湧出量 測定せず
知覚的試験 微弱黄色・澄明・無味・微弱自然臭
pH値 7.3
ラドン 測定せず
密度 1.0000g/cm3(20℃)
蒸発残留物 2.442g/Kg(107℃)
溶存物質総計(ガス性のものを除く) 2.422g/Kg
分析年月日 2009年3月9日
情報源 ロビーの掲示(温泉分析書のコピー)
1Kg中の成分

  
陽イオン mg
リチウムイオン 1.9
ナトリウムイオン 415.0
カリウムイオン 50.1
マグネシウムイオン 87.0
カルシウムイオン 174.2
マンガンイオン 1.4
鉄(II)イオン 1.6
陽イオン合計 731.2
陰イオン mg
塩化物イオン 852.0
硫酸イオン 81.0
炭酸水素イオン 524.2
陰イオン合計 1457.2

 

非解離成分 mg
メタケイ酸 229.5
メタホウ酸 3.9
メタ亜ヒ酸 0.3
非解離成分合計 233.7
溶存ガス成分 mg
遊離二酸化炭素 93.8
溶存ガス成分合計 93.8

 

温泉DATA (女湯)
源泉名 竹瓦温泉(女湯)(湧出地:大分県別府市元町818-173)
泉質 ナトリウム-炭酸水素塩泉[低張性-弱アルカリ性-高温泉]
泉温 52.0℃(気温:11.5℃)
湧出量 測定せず
知覚的試験 無色・澄明・無味・微弱自然臭
pH値 7.7
ラドン 測定せず
密度 0.9990g/cm3(20℃)
蒸発残留物 0.823g/Kg(107℃)
溶存物質総計(ガス性のものを除く) 1.186g/Kg
分析年月日 2009年3月9日
情報源 ロビーの掲示(温泉分析書のコピー)
1Kg中の成分

  
陽イオン mg
リチウムイオン 1.2
ナトリウムイオン 160.7
カリウムイオン 23.4
カルシウムイオン 47.9
マンガンイオン 0.3
鉄(II)イオン 0.3
陽イオン合計 258.4
陰イオン mg
塩化物イオン 80.4
硫酸イオン 60.5
炭酸水素イオン 554.7
陰イオン合計 695.6

非解離成分 mg
メタケイ酸 228.0
メタホウ酸 3.8
メタ亜ヒ酸 0.1
非解離成分合計 231.9
溶存ガス成分 mg
遊離二酸化炭素 108.4
溶存ガス成分合計 108.4

 



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制作:2013年11月15日 修正:2013年11月16日