湯平温泉　橋本温泉

　湯平温泉（ゆのひらおんせん)は、大分県由布市にある温泉地。

　古くからその存在が知られていて、江戸時代には既に温泉街が形成されていたという。戦前の一時期は、別府につぐ九州No2の集客を誇り、隣町の由布院温泉なんぞとは比べ物にならない存在であったらしい。　

　それから長い時間がが過ぎ、現在の湯平は、残念ながらまったく元気がない。江戸時代の石畳が残る温泉街は、ちょっと手を加えれば、風情ある町並みに生まれ変わる気もするのだが、あるいは、バリアフリーとか防災という点で問題があるのであろうか。

　さて、湯平温泉街には、全部で5か所の外湯がある。

　橋本温泉は、温泉街のもっとも手前に位置する外湯。このあたりは、明治の大火のあと開発された、湯平温泉でも比較的新しい地区なのだそうだ。周囲は民家ばかりで、観光地らしい雰囲気はない。

　最近手が加えられたと見える建物は、脱衣場と浴室の仕切りがない古い形態を残しながらも、清潔かつ快適である。管理人は常駐せず、いわゆる賽銭箱方式となっている。

　石張りの洗い場の中央にタイル張りの浴槽があって、木製の仕切り板が設けられている。湯口側の区画は恐ろしく熱く、湯尻側でその湯を愉しむことにする。
　浴槽にかけ流されているのは、わずかな硫化水素臭を帯びた透明なお湯。高い天井を見上げながら、ゆったりした時間をすごせた。

お気に入り指数:★★★★☆