平湯温泉　神の湯

　平湯温泉神の湯は、"平湯温泉発祥の湯"とされる露天公衆浴場。温泉街から少し離れた、森のなかに位置する。

　安房峠道路の下をくぐってしばらく走ると、未舗装の駐車場がある。クルマを停め、看板に従って歩いていくと、こんどは質素な"料金所"が建っていた。なんだか、風呂に行くというより、鍾乳洞見物をするような雰囲気である。

　"料金所"の先、深い緑のなかに、男女別々に掘立小屋みたいな脱衣場がある。

　男湯は、比較的広い岩風呂で、長いパイプから源泉が注がれている。大きな屋根が架かっているので、雨天の入浴もOKだろう。原生林のなかで、爽快な入浴ができる。
　お湯は、灰緑色に濁ったもので、硫黄臭が漂う。口に含むと、かなり強い金気を感じた。もちろん、何の疑いもないかけ流しである。

　温泉成分に関する詳細な掲示は見かけなかった。
　平湯温泉は集中配湯設備を持たず、施設(源泉)ごとの微妙な違いを楽しめる温泉地である。温泉分析書を見ながら、その差異を体感するのも、温泉巡りの醍醐味なのだが...。
　有料の浴場でもあるのだから、温泉法の規定にのっとり、温泉成分も、きちんと表示していただきたいと思う。

　小さなあずまやがあって、風呂あがりのひと時を過ごすことができる。くだんの"料金所"では、ラムネなどの販売もある。

お気に入り指数:★★★★☆