黒川温泉　穴湯

　黒川温泉街を流れる田の原川(たのばるがわ)の川岸にある共同浴場。

　川端通りから、河床に向かって下りたところに質素な湯小屋がある。"賽銭箱"に100円硬貨を入れて扉を開けると、目の前に浴槽があった。

　山側の壁は石垣、川側は湿気抜きと明かり取りを兼ねた目透かし張りとなっている。
　浴槽は、河床の岩盤をそのまま湯船にした感じで、あるいは、原始的な河原の野湯が穴湯の出自かも知れない。コンクリートで固められた湯船の底には、一本の丸太が沈んでいるが、その目的はよくわからない。

　お湯は、ほのかな硫黄臭をともなう滑らかなもので、析出物がこびりついた鉄パイプから豪快にかけ流されている。

　壁には寄付をした人の名前とか、清掃当番表などが張られていて、今や九州No1の人気温泉地となった黒川とは思えぬ素朴さが漂う。

　脱衣場・浴槽ともにひとつの完全な混浴。
　黒川温泉の主なターゲットである若い女性旅行者はだれひとりとして入浴しないので、妙な期待をしてはいけない。

　泉質や温泉成分に関する掲示は見当たらなかった。

お気に入り指数:★★★★☆