北川温泉 北川村温泉 ゆずの宿


ゆずジュース(180円)

 四国山地は、我々が思っている以上に険しい。

 たとえば、愛媛県にある石鎚山(1,982m)は西日本(近畿以西)の最高峰だし、剣山(徳島県 1,955m)は同2位である。活火山ではないから高温の温泉は少ないが、その懐には多くの良質の冷鉱泉が湧いている。

 北川温泉も、そんな冷鉱泉のひとつ。

 一軒宿である北川村温泉ゆずの宿は、もとは林業関係者の保養施設として建てられたもの。5年ほどまえに改装し、今は観光による村おこしの期待を担う存在となっている。
 奈半利川(なはりがわ)沿いにある建物は、いかにも公共施設---といった外観だが、ロビーはセンス良く手直しされている。従業員の対応も気持ちがいい。

 タイル張りの浴室内には、四角い主浴槽と打たせ湯があった。露天エリアには、木張りの浴槽があって、天を仰ぎながらの開放的な入浴を愉しめる。

 お湯は、かなり純粋な重曹泉。炭酸イオンが60mg/Kgも含まれているので、相当のぬめぬめ感を期待したが、実際にはそれほどでもなかった。けれども、重曹泉特有のとろんとした感触を味わえる、良質の温泉であることは変わりがない。

 予約が取れなかったが、源泉かけ流しの貸切家族湯(別途1,000円の追加料金要)があるので、こちらだとまた違う感想になったかも知れない。

 浴場前には、背ずりが深く倒れる安楽椅子が置いてあり、ゆっくり休むことができる。

 また、館内には本格的な食事ができるレストランがある。特産のゆずジュースを飲んでみたが、湯上りの火照った身体にさわやかな酸味がしみわたり、非常に旨かった。

 日曜の夕刻にもかかわらず、思いのほかおおくの宿泊客がチェックインしている。今度は、家族湯入浴と周辺の森林鉄道の遺構探索を目的に、泊りがけで来ようと思う。

お気に入り指数:★★★★☆

施設DATA
温泉名 北川温泉
施設名 北川村温泉 ゆずの宿
施設の種別 旅館
所在地 〒781-6451 高知県安芸郡北川村小島121(→地図)
電話番号 0887-37-2321
公式・参考サイト 北川村温泉ゆずの宿
営業時間 09:00〜21:00(外来入浴)
料金 大人:700円、小人:300円(税込み)
無料の備品 ボディーソープ・シャンプー・鍵つき貴重品ロッカー・ドライヤー
浴場施設 内湯、露天風呂、打たせ湯
駐車 可能
入浴日 2010年10月17日
備考 <0352>
非加水・循環・塩素系消毒剤使用

温泉DATA
源泉名 北川温泉
泉質 含硫黄-ナトリウム-炭酸水素塩泉[低張性-アルカリ性-冷鉱泉]
泉温 17.4℃(気温:15.5℃)
湧出量 ---L/min
知覚的試験 ---
pH値 8.79
ラドン ---
密度 ---
蒸発残留物 ---
溶存物質総計(ガス性のものを除く) 1.498g/Kg
分析年月日 2006年5月15日
情報源 脱衣場の掲示
1Kg中の成分

  
陽イオン mg
リチウムイオン 1.7
ナトリウムイオン 430.3
カリウムイオン 3.6
アンモニウムイオン 1.1
マグネシウムイオン 1.7
カルシウムイオン 2.2
ストロンチウムイオン 0.4
陽イオン合計 441.0
陰イオン mg
フッ素イオン 7.1
塩素イオン 111.7
臭素イオン 0.3
ヨウ素イオン 0.2
硫酸イオン 30.0
硫化水素イオン 6.4
リン酸一水素イオン 0.2
炭酸水素イオン 809.0
炭酸イオン 60.0
陰イオン合計 1024.9

非解離成分 mg
メタケイ酸 13.6
メタホウ酸 18.2
非解離成分合計 31.8
溶存ガス成分 mg
遊離硫化水素 0.1
溶存ガス成分合計 0.1

 


 旅のメモ
 魚梁瀬森林鉄道は、明治から昭和のはじめにかけて建設された四国最大の森林鉄道である。

 最盛期には総延長250Kmに及び、魚梁瀬杉の搬出に大活躍した。けれども、その後のダム建設や自動車交通の発達に伴って、1964年までに全廃された。線路跡の多くは道路となったが、いくつかのトンネルや橋梁は今も残されている。

 当温泉の目の前にある赤い鉄橋(小島橋)は、その代表的な遺構。

 1932年に完成した全長143mのトラス橋・ガーター橋で、2009年には、森林鉄道の施設としてはじめて、国の重要文化財に指定されている。

参考:魚梁瀬森林鉄道遺産Webミュージアム


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制作:2010年10月26日 修正:2010年10月26日