おんたけ高原温泉　こもれびの湯

　御嶽山の中腹、標高1,400mの白樺林の中にある温泉浴場。
　名古屋市の外郭団体が経営するレクリエーション施設の一部だが、入浴だけの場合は、直接浴場に行けばOKである。

　木造平屋の湯小屋は、附属のボイラー室も含めて、周囲の景観とマッチした造り。さすがお役所、細かいところで、民間とはカネのかけ方が違うと感じる。

　それほど広くない浴室には、洗い場が3つだけ。浴槽には、茶色く濁った湯がかけ流しになっている。

　しかし、何と言っても素晴らしいのは、縁側に置かれた2つの"樽湯"だ。

　加温された源泉が注がれているが、内湯とは違ってほとんど濁っていない。湯口の湯を口に含むと、強い炭酸と金気を感じる。自然の温泉成分を損なわないように、よほど上手に加熱しているのだと思う。
　新鮮な炭酸泉の効果は絶大で、身体を沈めて数分しないうちに、身体に細かい泡がつき、四肢の末梢がぽかぽかしてきた。

　目立たないが、施設から数十mくらい離れた場所に源泉がある。
　ガス抜き目的だろうが、地面に突き刺さった鉄パイプの先から、間欠泉のように温泉水が噴き出す様子が観察できる。時間があれば見物してみるとよい。『味見』をしたい向きには、飲泉場もある。

　休憩施設はないが、屋外に小さな東屋があって、自販機の飲み物で湯上りのひとときを過ごせる。

　国道19号線元橋交差点から約30Km。道のりは遠いが、行く価値がある温泉だと思う。

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