宇川温泉　よし野の里

　丹後半島に点在する観光客向け新興温泉のひとつ。

　網野側からアクセスすると、丹後半島のもっとも奥、つまりは経ヶ岬に近いところに位置する。日本海を望む高台の上に、落ち着いた色合いの木造日本瓦葺きの建物があった。

　贅沢な土地の使い方と手の込んだ建物は典型的な自治体の公的施設と言えるが、運営は間人(たいざ)の老舗旅館なので、接客もそつがない。

　海を望む『竜宮』と竹林に囲まれた『香具夜』の2つの浴場があり、この日は後者が男湯となっていた。

　湯屋は、広いガラス窓をもつ木造の建物。アースカラーでまとめられた落ち着いた雰囲気である。

　浴室内には、あつ湯とぬる湯、2つの浴槽がある。
　お湯は、重曹成分と石膏成分を比較的多く含む単純温泉。かすかに塩素の匂いがする以外に、特徴的な感触は乏しい。

　芝生敷きの露天エリアには、円形の浴槽があり、木々の匂いを感じながらの湯浴みを愉しめる。サウナ付属の水風呂も屋外にあり、季節柄、これは実質的に子供たちのプールとなっていた。

　館内には、麺類中心の軽食コーナーのほか、地元の山海の幸を食べさせてくれる洒落たレストランもある。

　お湯そのものよりも、海を眺めてゆったり生命の洗濯をするための施設か。

お気に入り指数:★★★☆☆