二月田温泉　殿様湯

　1828年に薩摩藩主が創設した温泉浴場。

　往時は30棟余の建物が並び、豪華な湯殿があったという。化粧タイルを散りばめた浴槽の遺構が残されており、これは指宿市指定の文化財となっている。

　現在の建物(浴場)はその後改築されたもの。従って、島津家の家紋を配した湯船は当時のものではないが、長い歴史を感じながらの湯浴みを楽しめる。

　敷地内から湧く湯は、わずかに灰緑色に濁った食塩泉。専用の飲泉場で味見ができるが、口に含むと弱い塩味と金気を感じた。

　難解な薩摩弁を聞きながらの入浴を期待したが、駐車場には"わ"ナンバーのレンタカーがずらりと並んだ。"シルバーウイーク"の真っ最中、浴場を訪れるのは、私同様、遠来の旅行者だけだったようである。

お気に入り指数:★★★★☆