伊東温泉 ハトヤホテル


夕食バイキング


大浴場


大浴場主浴槽


中浴場桧風呂

 "いとーに行くならハ・ト・ヤ、電話はよいーふろ"----1970年代、関西でもイヤというほど流されたCMソングをご記憶の方は多いと思う。
 近ごろは全然耳にしないので、その現況が気になっていたが、ネットで調べたところ、平成のいまも営業中なのであった。

 伊東の市街地を見下ろす山の中腹にある、昭和の香り豊かな巨大温泉リゾート。細い坂道を上がって行くと、30年前に目にしたTV CMと同じ、チューブ型の渡り廊下が目に入った。全体に造りの古さは否めないが、整備は行き届いていて、不快な感じはない。

 チェックインのあと、まずは大浴場へ。

 浴場は、大中2か所。広さが違うところに昭和を感じる。もちろん、"大"がかつての殿方用だが、今は男女入れ換え制になっていて、夕食前の時間帯、男は以前の御婦人用に入ることになっていた。

 浴室内には、主浴槽とジャグジー、桧風呂、水風呂があるのみ。露天風呂はなく、意外に質素な構成である。
 主浴槽と桧風呂は、不審な吸い込み口は見当たらず、完全かけ流し。湯口からは、大量のお湯が滝のように注がれている。瞬時にこれはタダモノではないと直感した。
 もっとも、夕食前の時間帯、温泉の味わいなど理解できるはずもない子供達が湯船の中を走り回り、ゆっくりお湯を楽しむ状況ではない。とりあえず身体を洗って撤退。夕食会場に向かった。

 ハトヤの基本宿泊プランは、夕食・朝食ともにバイキング。
 立食パーティーのごとく、和洋中華の料理が並ぶ。天ぷらや寿司の模擬店もある。結構高価そうな食材も使われていて、見栄えも良い。
 貧乏性の私は、エビやカニ、ウニやイクラなど、原価の高そうな料理ばかりを皿に盛って自席に戻ったのだが、それらを食べ始めたとたんに何だか急に侘しい感じがしてきた。
 やはり、おいしい食事、満足する食事には、料理人によって計算され尽くした順序や盛りつけがある。バイキング方式では、それらの要素は皆無になるから、もう、これは空腹を満たすだけの行為でしかない。
 肉体的に空腹状態に置かれた子供や若者はともかく、精神的に空腹なだけの中年には、バイキングは不向きである。

 食事を終えて、再び大浴場に出向いたが、やはり相当な混雑。明朝、再出撃することにして、床についた。

 結局、ゆっくりお湯につかれたのは、チェックアウトがピークを迎える朝9時すぎであった。まったくの貸し切り---とはならなかったが、入浴者は全部で数人。
 主浴槽からの豪快なオーバーフローは、排水口に渦を巻いて吸い込まれる。うっとりするような光景だ。
 硫酸イオンを多く含んだ単純温泉で、かすかに鉱物臭を感じる。ホテル側は、温泉そのものを全面に出したPRをしていないけれど、そのレベルは相当に高いと思われる。

 ただし、繰り返し書いたように、子供を連れた家族旅行客が多いのが最大の難点。極上の湯は、時間を選ばないと賞味できない。

お気に入り指数:★★★★☆

施設DATA
温泉名 伊東温泉
施設名 ハトヤホテル
施設の種別 ホテル
所在地 〒414-0055 静岡県伊東市岡1391(→地図)
電話番号 0557-37-4126
公式・参考サイト HATOYAWebsite
営業時間 宿泊施設(24時間入浴可能)
料金 (宿泊で利用)
無料の備品 ボディーソープ・シャンプー・ドライヤー・バスタオル・タオル・館内着・綿棒・化粧品
浴場施設 主浴槽、泡風呂、桧風呂、サウナ、水風呂
駐車 可能
入浴日 2008年11月02日
備考 <0306>
加水・非加熱・消毒剤非使用

温泉DATA
源泉名 混合泉(鎌田19号・岡189号・岡246号・岡255号・岡260号)(伊東市岡1391-15温泉タンク)
泉質 アルカリ性単純温泉[低張性-アルカリ性-高温泉]
泉温 50.1℃
湧出量 532L/min(動力揚湯)
知覚的試験 ---
pH値 8.5
ラドン ---×10-10キュリー
密度 ---g/cm3
蒸発残留物 ---g/Kg
溶存物質総計(ガス性のものを除く) 0.901g/Kg
分析年月日 2003年11月27日
情報源 脱衣場の掲示
1Kg中の成分

  
陽イオン mg
ナトリウムイオン 178.7
カリウムイオン 4.4
マグネシウムイオン 4.1
カルシウムイオン 90.3
陽イオン合計 ---
陰イオン mg
塩素イオン 202.0
臭素イオン 0.2
硫酸イオン 335.3
炭酸水素イオン 17.1
炭酸イオン 6.2
陰イオン合計 ---

非解離成分 mg
メタケイ酸 60.7
メタホウ酸 2.0
メタ亜ヒ酸 0.1
非解離成分合計 ---
溶存ガス成分 mg
遊離二酸化炭素 0
溶存ガス成分合計 ---

 



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制作:2008年11月06日 修正:2008年11月06日