岳の湯温泉　豊礼の湯宿

　熊本県小国町から、大分県九重町に通じる国道387号線をドライブすると、円錐形の美しい稜線が視界に飛び込んでくる。
　"小国富士"の異名を持つ涌蓋山(わいたさん:1,499m)で、その山麓には多くの温泉が湧いている。

　もっとも高い位置で湯けむりを上げるのがはげの湯温泉、その隣にあるのが岳の湯温泉だが、両者の境界はいまひとつはっきりしない。
　両地区とも、小規模な旅館や日帰り入浴施設が点在するが、そのうち、青い濁り湯がウリの豊礼の湯につかってみることにした。

　男女別の露天風呂と家族湯があるが、新湯を独占したくて、後者を選択。九州ではポピュラーなコインタイマー式の風呂で、硬貨を投入するとカラの湯船に大量の温泉が注がれる。

　ご覧のとおり、青い見事な濁り湯。硫黄臭があり、口に含むと薄い塩味を感じる。関西ではまずお目にかかれない個性的な湯に感激した。

　半露天式の構造なので、ご覧のとおり、新緑の涌蓋山を眺めながらの爽快な入浴を楽しめる。

　天然の高温蒸気を使った"蒸し釜"があって、自由に使っていいという。こんど来るときは、卵や芋を持参して、即席蒸し料理を楽しんでみたいと思う。

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