奥満願寺温泉 旅館藤もと

 南小国町にある温泉旅館。

 黒川温泉からは直線距離で1Kmほどしか離れていないが、尾根一つを隔てているので、その喧噪とはまったく無縁。宿の周囲は、のどかな山里の田園風景が広がるのみだ。

 建物は、新緑鮮やかな雑木林の中にある。部屋数わずかに8つの小規模施設で、旅館に来たというより、田舎のおばあちゃんの家に泊まりにきたという感じ。

 チェックインを済ませ、さっそく湯につかってみることにする。

 小田川の渓流に沿って、男女別の大浴場と家族湯が並んでいる。

 大浴場は、モノトーンの落ち着いた内装で、長方形の主浴槽と蒸し風呂がある。露天エリアには、木風呂が2つ、それに、河原に降りたところに小さな岩風呂が2つある。
 私のほかにお客はおらず、事実上の貸切湯。圧倒的な緑を眺めながら、気分のいい入浴を楽しめた。

 4つの家族湯もそれぞれ趣向を凝らしたもので、清流のせせらぎを聞きながらの湯浴みを楽しめる。

 お湯は、78.7℃のナトリウム-塩化物・硫酸塩・炭酸水素温泉。ほとんど味や匂いのない、なめらかな感触のもの。もちろん、全浴槽かけ流しである。

 残念なのは、温泉分析書や加水・消毒剤投入に関する掲示がなかったこと。温泉ファンとしては、法律で定められた事項はきっちり表示したほうがいいと思う。

 食事は、朝夕ともに食事処でいただくシステム。

 夕餉の膳には、鯉の洗いや野草の天ぷらなど、土地の食材を使ったメニューが並ぶ。メイン料理の肥後牛・ハーブ豚のしゃぶしゃぶにたどりつく前にお腹がいっぱいになった。食後は、別室でデザートのフルーツとコーヒーが供される。

 夜のうちに大浴場の男女が入れ替えになるので、翌朝もういちど大浴場に行く。

 内湯は同じ造りだが、露天風呂は石造り。河床の岩盤をくり抜いた風呂もある。
 ひんやりとした空気のなかで、熱い湯につかって手足を伸ばす。木立をすり抜けた朝の陽光が、立ち上る湯気を射抜いている。職場では、朝のミーティングが始まる時刻だが、南小国で温泉につかっている私には何の関係もないことであった。

 朝食は、この宿の自慢のひとつ。惣菜が盛られた小鉢が所狭しと並ぶ和食バイキングである。自家製ハムの添えられた野菜サラダもあった。

 最近、部屋が改装されて、客室でインターネットの利用もできるようになったとのこと。
 ネットがあれば済む商売の方なら、こういう場所に籠ってお仕事するのもいいと思う。私のような現場労働者には、夢のまた夢ではあるが。

お気に入り指数:★★★★★

施設DATA
温泉名 奥満願寺温泉
施設名 旅館藤もと
施設の種別 旅館
所在地 熊本県阿蘇郡南小国町大字満願寺6069-1(→地図)
電話番号 0967-44-0057
公式・参考サイト 奥満願寺温泉:旅館 藤もと
南小国町観光協会オフィシャルホームページ
営業時間 ---
料金 (宿泊で利用)
無料の備品 ボディーソープ・シャンプー・鍵つきロッカー・ドライヤー・バスタオル・タオル・館内着・化粧品
浴場施設 内湯、露天風呂、蒸し風呂、家族湯など
駐車 可能
入浴日 2008年5月15日〜16日
備考 <0281>


温泉DATA
源泉名 湧出地:熊本県阿蘇郡南小国町満願寺字白川6112
泉質 ナトリウム-塩化物・硫酸塩・炭酸水素温泉[低張性-中性-高温泉]
泉温 78.7℃
湧出量 ---L/min
知覚的試験 ---
pH値 ---
ラドン ---×10-10キュリー
密度 ---g/cm3(20℃/4℃)
蒸発残留物 ---g/Kg(130℃)
溶存物質総計(ガス性のものを除く) ---g/Kg
分析年月日 1996年10月15日
情報源 脱衣場前の掲示
1Kg中の成分

(温泉成分の詳細掲示なし)

 


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制作:2008年05月24日 修正:2008年05月24日