片山津温泉 総湯 |
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柴山潟の湖岸にある片山津温泉は、歓楽街的な色合いの濃い温泉地である。 すっきりしたデザインの和風の建物で、内部は2階建て。1階が公定銭湯料金で入れる"普通浴室"、2階が"高等浴室"だ。地元の人たちが日常的に使うのは前者だが、後者は源泉かけ流しで、シャンプー/ボディーソープが置かれている。温泉ファンの私は、当然後者を選択した。 3人入ればいっぱいのこぶりな浴槽に透明な湯が注がれ、静かに溢れている。相当に熱く、息をこらえて身体を沈める。溶存物質:14.69g/Kgの含塩化土類食塩泉。あっさりした感じの肌触りで、食塩泉特有のベタつきはない。飲泉コップでお湯を口に含むと、猛烈な塩味・エグ味を感じた。 休憩室などはないが、玄関の軒先にはベンチと飲み物の自販機が置かれ、しばしの休息をとることができる。食塩泉らしいホカホカ感が消えず、曇天から落ちてくる氷雨も気にならなかった。 石川県などの資料(石川県商工会連合会)によると、1989年には年間120万人いた片山津温泉の客は、2006年には35.3万人になったという。経済学にはまったく疎いが、現在の片山津温泉がタダゴトではない状況にあることは私にだって理解できる。 新たな時代にふさわしい片山津温泉を目指して、総湯の筋向かいに足湯やモダンな配湯所などがある公園が作られている。さらに市が廃業した旅館跡地を買い取り、総湯を移転するというニュースも目にした。ゆったり、のんびり、ホンモノのお湯を味わえる新総湯ができることを期待したい。 お気に入り指数:★★★★☆
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旅の情報
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熱いお湯で暖まったあとは、幻想的な雪と氷の世界をのぞいてみるのはどうだろう。 温泉街からほど近い場所に、片山津出身の物理学者:中谷宇吉郎氏(1900-1962)の業績を紹介する『中谷宇吉郎 雪の科学館』がある。 氏は、世界で初めて人工的に雪の結晶を作った物理学者(北大教授)。館内には、実験器具をはじめ、雪の結晶の写真などが展示されている。 この種の科学館にしては珍しく、学芸員が雪と氷に関する実験を見せてくれる。冷凍庫の中でダイヤモンドダストを作ったり、過冷却になった水が瞬時に凍る様子を見た。 柴山潟の向こうに白山を望むガラス張りの喫茶室も、まったりした時間を過ごすにはオススメだ。
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制作:2007年11月24日 修正:2007年12月1日