加賀井温泉 一陽館


源泉湧出口

 長野市松代に湧く温泉。松代温泉と実質的には同じ温泉地だが、元湯にあたるこの施設だけが別の温泉名を名乗っている。

 長野道長野ICからほど近いところ、田畑と住宅が入り交じった一角に、その施設があった。初訪問である旨を告げると、温泉の概要や入浴のきまりを説明してくれる。

 それによると、建物は1930年に作られた歴史あるもの。源泉はボーリングによる自噴で、源泉の真上に浴槽がある施設は、全国でもそう多くはないという。温泉文化を守るため、シャワーなどの設置はなく、身体に着いた温泉成分を洗い流さないことが肝要。

 源泉が湧出しているところを見せてもらったが、細かい泡を伴った湯が勢いよく吹き出していた。

 まずは男女別の内湯に入ってみる。
 独立した脱衣場がなく、湯船が見える位置で着替えをする、古い形式の浴場だ。風情たっぷりなのか、単にボロいだけなのかは判断しかねるが、とにかく、80年近い歳月に鞣された湯屋は相当に年期が入っている。

 析出物でまっ茶色になった浴槽には、さっき見た源泉から、静かにお湯が注がれている。灰緑色のその湯は、口に含むと、猛烈な金気と塩味の中に、炭酸ガスのしゅわしゅわを感じる。
 温泉分析書によれば、泉質は高張性のナトリウム・カルシウム-塩化物温泉。泉質名には現れないが、836.5mg/Kgもの遊離二酸化炭素が含まれている。お湯を丁寧に扱っているので、湯船の湯にも多くの二酸化炭素が残っており、つかって1分と経たないうちに、手足の指先がぽかぽかする、良質の炭酸泉特有の感触があった。

 開放的な露天風呂は2つの浴槽がある。混浴で、女性に限って水着着用可。内湯と同じ源泉らしいが、空気に触れる機会が多いのか、まっ茶色に濁った湯だ。みな、じいっと目を瞑って、湯に浸かっている。戦前までは、温泉に行くことは病気療養と同義であったらしいが、こういう姿を見ると、確かにここにはその伝統が残っていると感じる。男性客に限って言えば、内湯よりこちらの人気が高いようであったが、炭酸泉の感触は少なく、個人的には、内湯のほうが効きそうな気がする。

 いろんな意味で個性が強い温泉。好き嫌いが分かれると思うが、私はおおいに気に入った。

お気に入り指数:★★★★☆

施設DATA
温泉名 加賀井温泉
施設名 一陽館
施設の種別 日帰り入浴施設
所在地 〒381-1221 長野県長野市松代町東条55(→地図)
電話番号 026-278-2016
参考サイト 長野県温泉協会/湯治ノススメ
営業時間 08:00〜20:00
料金 大人:300円、小学生:100円
※休憩室の場合は一日750円(半日:500円)
無料の備品 特になし
※石鹸・シャンプーなどの使用不可。
浴場施設 内湯、露天風呂(混浴、女性のみ水着着用可)
駐車 可能
入浴日 2007年7月16日
備考 <0263>
非加水・非加熱

温泉DATA
源泉名 加賀井温泉一陽館(湧出地:長野市松代町東条55ノ1)
泉質 ナトリウム・カルシウム-塩化物温泉[高張性-中性-温泉]
泉温 41.0℃(気温:23℃)
湧出量 ---L/min
知覚的試験 無色澄明、塩味、苦味を有する。
pH値 6.7
ラドン ×10-10キュリー
密度 1.0099g/cm3(20℃)
蒸発残留物 13.065g/Kg
溶存物質総計(ガス性のものを除く) g/Kg
分析年月日 1999年5月10日
情報源 脱衣場の掲示(温泉分析書のコピー)
1Kg中の成分

  
陽イオン mg
ナトリウムイオン 2350
カリウムイオン 249.0
アンモニウムイオン 1.4
マグネシウムイオン 311.0
カルシウムイオン 1250
マンガンイオン 4.5
鉄(II)イオン 25.1
陽イオン合計 4191.0
陰イオン mg
フッ素イオン 2.9
塩素イオン 5630
臭素イオン 5.6
ヨウ素イオン 3.9
硫酸イオン 313.0
炭酸水素イオン 2050
陰イオン合計 8005.4

非解離成分 mg
メタケイ酸 136.5
メタホウ酸 811.0
メタ亜ヒ酸 0.2
非解離成分合計 947.7
溶存ガス成分 mg
遊離二酸化炭素 836.5
溶存ガス成分合計 836.5

 


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制作:2007年7月20日 修正:2007年7月29日