湯元一丁 ねや寿の湯

　今年(2007年春)にオープンしたスーパー銭湯。府道京都守口線の石津元町交差点からすぐの西にある。

　切妻屋根の和風の建物。券売機はなく、フロントで入浴料と引き換えにリストバンドを受け取る。館内での清算はこのバンドの提示でOK、再入浴も可能な健康ランド方式だ。

　ロビーは木のぬくもりが感じられる落ち着いた内装で、ガラス張りの中庭には人工の滝があって、これを眺めながら2階の浴場に行く仕組み。なかなか凝った演出である。

　モノトーンの浴室には、3つの岩風呂(内湯)があり、うぐいす色に透き通った温泉水が満たされている。それぞれ温度が微妙に違い、好みの温度の湯船を選べる。無意味にお湯を引っ掻き回すだけのジェットなんとかという装置がないのも好ましい。

　露天エリアは思いのほか広くて、緑も豊かだ。

　目玉は、3段式の岩風呂。最上段が源泉かけ流し。そこから溢れたお湯が、2段目、3段目に流れこむ。
　地下1,100mからくみ出すお湯は、灰緑色に濁った含土類食塩泉。湯船につかっただけではっきりと覚知できる硫化水素臭があり、いかにも温泉らしい。口に含むと、軽い塩味とかすかなエグ味を感じた。

　昨今のスーパー銭湯では、もはや定番とも言える蒸し風呂、寝湯、壷湯も設置されている。数人ぶんだが、白湯を使ったジャグジーもあった。

　食堂、マッサージ、岩盤浴などのおなじみの施設も完備。

　落ち着いたたたずまいと思いのほか個性的なお湯に★4つを与えたい。

お気に入り指数:★★★★☆

　2013年4月28日、ひさしぶりに訪問したら、温泉水の使用を中止した旨の掲示があった。
　内湯の、従来のぬる湯浴槽が『人工炭酸泉』、源泉かけ流しであった露天風呂は『(人工)炭酸水素塩泉』となっている。
　掲示は、スクリーン印刷の本格的なもので、機器の故障などに伴う一時的な措置ではないようだ。
　かけ流しの露天浴槽はもちろん、循環ろ過の内湯もかなり特徴的な浴感の温泉であっただけに残念。