岩井温泉　湯かむり温泉

　岩井温泉にある町営共同浴場。

　2002年に新築された建物はまだピカピカ。陽はまだ高いが、洗面器を手にした地元の人たちが三々五々集まって来る。平日昼間から温泉に入れるとは、何たる贅沢かと思う。

　浴室は、清潔かつシンプルな造りで、壁に描かれた浦富海岸と傘踊りのタイル絵がいっそう引き立つ。
　浴槽は2つで、手前がぬるめ、奥があつめ。いずれの湯船も縁から静かにお湯が溢れている。思わず笑みがこぼれるかけ流しだ。由緒ある温泉地の外湯はこうでなくてはいけないと思う。

　泉質は、岩井温泉デフォルトの含芒硝石膏泉。関西にはあまりない泉質だが、重曹泉やアルカリ性単純温泉とは明らかに違う肌触りだ。無色透明の湯で、口に含むとかすかに特有の匂いがする。

　湯口に鼻を近づけたり、お湯を舐めたりと挙動不審な同業者(?)が1名いたが、あとは土地の人ばかり。
　"湯かむり唄"を唸りながら頭から湯をかぶるおっさんがいるかと期待したけれど、みな目を閉じ、悠然とお湯に浸かっているだけであった。

　新しい施設だから、洗い場もシャワー完備の快適仕様。畳敷きの休憩室もあって、ゆっくりくつろげる。

　オススメの一湯である。

お気に入り指数:★★★★☆