八方尾根温泉　小日向の湯

　十数年前、スキーのメッカ白馬村に開発された温泉。

　村内のペンションや民宿に引き湯されているが、より源泉地に近いところに野趣溢れる露天風呂がある。

　写真では相当な山奥にあるように見えるが、八方尾根の旅館街から平坦な2車線道路を5分ほど走った場所で、クルマでのアクセスはごく容易であった。

　質素な番小屋で料金を払い、浴場へ。料金500円は少々高いと思ったが、立派な脱衣場があり、無料のドライヤーもある。

　3か所の源泉から集めた混合泉は、pH11.5という日本有数の高アルカリ性。温泉ファン諸兄のレポートでは、すばらしいツルスベ感があるとされているのだが、期待したほどではなかった。
　"アル単"特有のツルスベ感は、皮脂の量とも関係すると言われているが、今日は朝から2か所の温泉につかっているので、既に私の皮膚が完全に脱脂された状態になっていた可能性がある。ツルスベ感のレポートは、個人差が大きいのではないかと思う。

　大きな岩から、お湯がそのまま湯船に流れ落ちる豪快な造り。けれども、上空に張られたネットが開放感を大いに損ねている。アブ対策らしいが、大自然のなかで、虫を追い払いながらの入浴もまた一興と思うのは私だけだろうか。

　飲み物の自販機があるだけで、食事はできない。

　手軽に、ワイルドな温泉を愉しみたい向きにはオススメである。

お気に入り指数:★★★★☆