中房温泉 |
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北アルプスの懐深くに湧く温泉。 古くからの湯治場として知られているが、昨年(2005年)までは、登山者を除いて立ち寄り入浴は受け付けていなかった。しかし、この春、日帰り客専用の浴場がオープンしたので、行ってみることにした。 穂高温泉郷から狭隘な県道を10Km余り入ると、ブナの林に硫化水素臭が漂ってくる。駐車場にクルマを置き、タオル片手に湯小屋を目指すが、行き交う人は大きなリュックサックを背負った登山者ばかりであった。ここはもう、私のようなお気楽温泉巡りの道楽者が来る場所ではなく、完全な岳人の世界なのだ。 改築されたばかりの建物は、木の香りも清々しいシンプルなもの。軽い食事---と言っても、あくまでも山小屋の次元だが---も摂れるようになっている。 男女とも、内風呂はなく、露天岩風呂のみ。このうち、男湯には2つの浴槽があり、それぞれ別の源泉の湯を使っている。 向かって右側の大きな浴槽は、近くの中房川の堰堤に湧く古事記の湯を使用。74.7℃の温泉が毎分220Lも自然湧出しているのだという。左側小さな風呂の源泉は、沢の上流100m付近の岩の割れ目から湧き出ているもの(妙見の湯)で、こちらは94.8℃という熱湯だ。 いずれの源泉も、高温すぎてそのままでは使えない。普通は加水して温度を下げるところだが、ここでは熱交換器を使って冷却している。つまり、自然湧出の源泉100%という極めて自然に近い温泉浴槽なのである。これほど贅沢な風呂は、日本でもそう多くないのではないか。 2つの湯船に入り較べてみたが、小さな風呂の湯のほうが、よりヌメリが強いように感じられた。もちろん、双方の源泉とも、かなり強い硫化水素臭を帯びたいかにも温泉らしいお湯で、原生林を眺めながらの爽快な入浴だ。 長い間、風呂に入れなかった登山者のために、洗い場の設備も充実している。往復の道のりは遠いが、時間をかけて行くだけの価値がある温泉だと思う。 今度は泊まりがけで訪れたいと思う。 お気に入り指数:★★★★★ |
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制作:2006年9月21日 修正:2006年9月29日